パートナーインタビュー:LIXIL「おもてなし」の心を込めた「ものづくり」が社会を変える

株式会社LIXIL(以下LIXIL)と聞いてどのようなことが頭に浮かぶでしょうか。多くの方はトイレやお風呂、窓やドアなどを思い浮かべるかと思います。
今回のスポンサーインタビューは、東京2020ゴールドパートナーとして「住宅設備部材&水回り備品」の分野で東京2020大会をサポートしていただくLIXIL-住まいと暮らしの総合住生活企業-の東京2020オリンピック・パラリンピック推進本部戦略推進部長の石橋和之さんと、LIXILの社員でもあり、バドミントン選手でもある長島理さんのお二人にご登場いただきました。
長島さんは東京2020パラリンピック競技大会から正式競技となるバドミントンの強化指定選手として、国内外の大会で数多くのメダルを獲得するなど第一線で活躍するアスリートであり、同時に研究者として会社の業績に貢献しています。東京2020大会を目指し、社員として、そしてアスリートとして両軸での活動が注目を集めています。
誰もが使いやすい「ものづくり」、「おもいやりとおもてなしの心」を大切にした活動をしているというLIXIL。ユニバーサルデザインの「ものづくり」と「心づくり」の両軸から活動を展開するLIXILのお二人にお話をしていただきました。

東京2020大会は人と暮らしの観点から様々な課題を解決してきたLIXILの活動を世界中にプレゼンテーションできる最大の機会

東京2020大会へ会社として協賛する意義はどこにあるのでしょう?パートナーになるとは?

東京2020オリンピック・パラリンピック推進本部 戦略推進部長 石橋 和之さん(以下、石橋)
LIXILは、長きにわたって、人と暮らしの観点から様々な課題を解決してきました。住宅設備はスポーツとはあまり関係がないようにも思われますが、むしろ住宅設備という分野だからこそできる課題解決があるはずです。その部分でぜひ東京2020大会に貢献したいと考えました。実際、長島さんにもアドバイスをもらいながら、仮設トイレの設置、競技会場の座席のありかた、選手にとって必要なものが何なのか、を検討してきました。東京2020大会は世界中にそれをプレゼンテーションできる最大の機会になると考えています。
これまでにも、LIXILは長年、様々なスポーツを支援してきました。例えば、日本プロサッカーリーグのクラブチームやプロテニス選手のサポートなどの実績があります。これらの協賛の経験を生かして、LIXILのストーリーとオリンピック・パラリンピックのストーリーをどのようにつなげられるかを検討しました。私たちの持つ「住宅設備部材&水回り備品」カテゴリーとオリンピック・パラリンピックの間にわかりやすいストーリーを設定して、発信していこうと思います。

お話を伺った石橋さん

長島さんのお仕事について教えてください。

テクノロジーリサーチ本部 マテリアルサイエンス研究所 長島 理(ながしま おさむ) さん(以下、長島)
入社以来、ほぼずっと、新しい技術の研究開発に携わっています。トイレの表面にコーティングを施して水アカがつくのを防ぐ技術「プロガード」の開発も担当しました。きれいなトイレを保つことができる防汚の技術はニーズとして求められており、2年半くらいかけて開発し、特許も取得しました。現在は、研究のプロセスをどうやって効率化するかを分析し、改善する業務についています。

研究に取り組む長島さん

2017年4月に、それまで勤務していた愛知から東京に異動させてもらい、東京2020大会出場を目指して本格的に競技に取り組み始めました。現在は、15時に仕事を切り上げて、その後練習に行く、という毎日を送っています。社員として働きながら東京2020大会を目指すうえで一番大変なのは、物理的に時間が足りないということです。仕事をして、その後練習をし、栄養面もケアして、となると寝るのが25時を過ぎることもあり、十分な睡眠時間を確保することが難しいです。メンタル面では、仕事と競技でそれぞれ気分転換になるので、むしろプラスになっていることの方が多いのですが、2020年に向けて仕事と競技のバランスをどうしていくかが今後の課題です。アスリートにとっての一つの形、ある種のモデルになっていければと思っています。

東京2020大会が決まって長島選手の競技に取り組む姿勢はどのように変化したのでしょう?

長島
中学からバドミントンを始め、大学時代に事故で車いす生活となりましたが、車いすバドミントンを知り競技を再開しました。その後、日本代表にはなりましたが、趣味の延長線上で、あくまでも仕事がメインという考え方でした。2014年にバドミントンがパラリンピックの正式競技に決定し、仕事中心だった生活を仕事と競技の両立ができるようにしていきたい、2020年の東京2020大会で活躍したいと思うようになっていきました。

長島さんの支援に関して、LIXILの会社としての体制も変わったのでしょうか。

長島
はい。周囲の環境がガラッと変わりました。会社が一体となってサポートしてくれているように感じます。同時に、これまで感じてこなかった、嬉しさや責任、支えてくれる人のために頑張りたいという思いが自分の中に生まれました。

石橋
社員同士で誘い合って長島さんの試合を応援に行くこともあります。長島さんが出場するパラバドミントンの国際大会に向けて社員から応援メッセージを募ったところ、「社員として長島さんを誇りに思う」「仲間として応援している」、というメッセージが数多く寄せられました。

企業の業績にもコミットし、第一線のアスリートでもある、このスタイルが将来のアスリートの姿。どちらもプロフェッショナルという意味で長島さんが社会に発信する価値は大きい

アスリートとして活躍する社員をサポートすることの魅力、価値はどこにあるのでしょうか。

石橋
プロサッカーのクラブチームへのサポートは、トステム時代から数えると、2019年には25周年を迎えます。ただ協賛金を払っているというだけではなく、彼らとLIXILの関係性には、積み上げてきた愛情のようなものがあります。同じように、社員でありアスリートでもある長島さんに対しては、私自身、すでに家族愛に近い感情があります。仕事もきちんとこなしながら夢を追いかける子どもを応援するような、「ファミリー」の意識で接しています。LIXILは2011年に5社が統合してできた会社なので、2020年大会を目指す長島さんを一丸となって応援することは、社員の心をひとつに束ねる力を持っていると思います。
企業の業績にもコミットし、第一線のアスリートでもある、このスタイルが将来のアスリートの姿だと思います。どちらもプロフェッショナルという意味で長島さんが社会に発信する価値は大きいと思います。

長島
これまで一緒に働いてきた社員が東京2020大会を目指すということで、会社の仲間からたくさんの応援をもらっています。また、仕事とバドミントンが直接つながることはありませんが、仕事の中で得た考え方のプロセスがバドミントンに活かせることは間違いありません。それが自分のスタイルになっています。

ものづくりの観点からの優しさだけではなく人の心の優しさや思いやりを一人でも多くの方に持っていただければ

LIXILが現在力を入れている活動に関して教えてください。

石橋
LIXILは、お年寄りでも、障がいをお持ちでも、子どもでも、誰に対しても優しいものづくりをしてきた会社ですから、ものづくりの観点からの優しさだけではなく人の心の優しさや思いやりを一人でも多くの方に持っていただければと思っています。
特に子ども達には自分とは違う個性を持った方に触れてほしいと考え、継続した活動として「ユニバーサル・ラン<スポーツ義足体験授業>」に取り組んでいます。
ユニバーサル・ラン<スポーツ義足体験授業>は小学校高学年を対象としており、「スポーツ義足の体験」と「座学」の二部構成になっています。
「スポーツ義足の体験」では、スポーツ義足を体験することで、義足を使いこなすことの難しさを実感します。「座学」では、義足の知識を学び、義足使用者のコメントや身近な事例により、障がいのある方に対する意識を変えるきっかけをつくり、誰もが使いやすいユニバーサルデザインについて学びます。
2017年1月から活動を始め、今や99校7269人もの子どもが体験しました(2018年7月31日時点)。多くの子ども達にとっては初めてスポーツ義足の体験をすることになります。自分が義足体験をすることや義足アスリートの生の声を聞くことで、多様性への理解を深める機会となっています。

義足体験授業での一コマ

また、日本が誇る観光名所に国内外から訪れる観光客の方々への「おもてなし」として、気持ちよくトイレを使っていただきたいという思いから、2014年から毎年、観光地のトイレ清掃をしています。義足体験授業とおもてなし清掃、どちらも社員の参加人数はどんどん増えています。 「LIXIL観光地トイレおもてなし清掃」は2014年に四国からスタートし、日本各地の観光名所に国内外から訪れる観光客への"おもてなし"として、観光地のトイレ清掃をする活動です。各自治体のご協力のもと、トイレ清掃活動や地域交流を通じて、"おもてなし"の心を育み、地域社会へ貢献します。

「LIXIL観光地トイレおもてなし清掃」を終えて

2017年は「リクシル すすめる、ユニバーサル。」を掲げ、ユニバーサルな社会を推進していくぞ、という宣言をしました。今年は「おもいやりと、おもてなしで、未来を変えよう。」をスローガンに設定しました。おもいやりの心から生まれるおもてなしを大切にしていきたいと考えています。

東京2020大会までの残り2年間、そして2020年以降も、さまざまな「おもいやり、おもてなし活動」に一生懸命取り組んでほしい

東京2020パラリンピックまで2年を切りましたが目標や課題を教えてください。

長島
東京2020大会でメダルをとることが最大の目標です。体の使い方と筋力の強化が一番の課題と考えています。仕事をしながらバドミントンに取り組んでいくことが自分自身のアイデンティティにもつながっており、2020年に向けてそのバランスをどうしていくか考えているところです。

2020年に向けて会社として取り組んでいきたいこと、続けていきたいことは何でしょうか。

石橋
東京2020大会にボランティアとして参加することを希望する社員は大勢います。ボランティアでも、日々の暮らしの中においても、社員には、会社の代表として、おもいやり・おもてなしの心を持って行動していってもらいたいと伝えています。
LIXILでは、「おもいやり」「おもてなし」の視点で、社会や地域への貢献活動を実施しています。一人ひとりの活動がLIXILの未来を変えていく。LIXILが変わることで社会が変わっていくと信じて活動に取り組んでいます。こうした活動は、2020年も以降ずっと続く、会社を貫くDNAになっていくものです。だからこそ、LIXILの社員には東京2020大会までの残り2年間、そして2020年以降も、さまざまな「おもいやり、おもてなし活動」に一生懸命取り組んでほしいと思っています。将来、東京2020大会があったから、そしてそこに至るまでの道のりがあったから、今のLIXILがある、と考えられることこそがまさにレガシーだと思います。「スポーツには世界と未来を変える力がある」というのは東京2020大会のビジョンですが、私たちにとっては「オリンピック・パラリンピックにはLIXILを変える力がある」、そしてLIXIL全体が変われば少しずつ社会も変えていけると信じています。

「ものづくり」と「心づくり」の両軸から継続的な活動を展開するLIXILの根本にあるのは「おもいやり」の気持ちでした。2020年に向けて、そして2020年以降、LIXILがどう変わっていくのか、未来がどう変わっていくのか、今から楽しみにしていたいと思います。また、長島選手の益々のご活躍に期待しています!

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