スポンサーインタビュー:味の素(株)「栄養バランスからアスリートを支える「ビクトリープロジェクト®」、美味しくどう食べるかを伝える「勝ち飯®」」

味の素株式会社(以下、味の素(株))は、「Eat Well, Live Well」をコーポレートメッセージに掲げ、アミノ酸を切り口に食と健康を追求する企業として知られています。味の素(株)では2003年から日本オリンピック委員会(以下、JOC)と共同で、オリンピック日本代表選手団およびその候補選手をアミノ酸の活用でコンディショニングサポートする「ビクトリープロジェクト®」を続けてきました。近年では、栄養管理のアドバイス、合宿時のメニュー開発、海外遠征先での食事提供など、活動内容は深化を続け、多岐に渡りトップアスリートの強化支援に取り組んでいます。
今回お話をしてくださったのは2004年から「ビクトリープロジェクト®」の活動を始められ、名だたるトップアスリートを現場でサポートし続けてきた栗原秀文さんです。そして、インタビュアーは北京2008大会出場のオリンピアンであり、現在東京2020組織委員会広報局に所属する伊藤華英です。現役時代は栗原さんの手厚いサポートを受けていたという伊藤が、アスリート支援の最前線にいる栗原さんにお話を伺いました。

栄養という側面から何かしら関与し選手たちを支えることができるのではないか

伊藤華英(以下、伊藤)
いつから「ビクトリープロジェクト®」に携わっていらっしゃるのでしょう?

味の素株式会社 オリンピック・パラリンピック推進室 ビクトリープロジェクトグループ シニアマネージャー 栗原さん(以下、栗原)
2004年7月に人事異動があって「ビクトリープロジェクト®」に来ました。ちょうどアテネ2004オリンピックの時期だったのですが、異動してきたばかりということもあり現地に行くことはありませんでした。大会が終わった9月頃から本格的に現場に出て行ってサポートし始めた記憶があります。当時、アスリートたちは本当によく頑張っていたのですが、頑張り方に非常に無理があったというか、がむしゃらに頑張っているような状況でした。そこに「ビクトリープロジェクト®」が栄養という側面から何かしら関与し選手たちを支えることができるのではないか、という思いがありました。

伊藤
「ビクトリープロジェクト®」によって、コーチとトレーナーに栄養バランス面からアスリートをサポートする柱ができたのは、今後のスポーツ界を考える上で非常に大きなレガシーになったと思います。論理的に栄養が足りていないから練習が頑張れないのだよ、と誰かが言ってくれることによって、アスリートにとって気づきにもなり、メンタリティも安定する効果があると思います。
「ビクトリープロジェクト®」が競泳に関わり始めたのは何かきっかけがあったのでしょうか?

栗原
もともと、「ビクトリープロジェクト®」はアミノ酸を主成分とした商品である「アミノバイタル®」の普及というところから出発しています。その観点から、エネルギー消費が高く、アミノ酸の必要度合いが高い競技を考えていったところ、競泳が激しかった、というのがあります。

「ビクトリープロジェクト®」のお話をされる栗原さん

伊藤
そうですよね。私も現役時代は練習前、練習後と1日5本は飲んでおり、当時は練習の時間と一緒にルーティンがしっかり決まっていました。

栗原
競泳は練習も日々ハードですし、毎日の練習がパターン化されているため、アミノ酸の摂取という要素もちゃんとそのルーティンの中に入っていったように思います。 もともと競泳界には、コーチたちが下の世代やスイミングスクールに通う子ども達に必要な情報を積極的に伝えていく浸透力の高さがあり、アミノ酸の摂取がとても大切であることをトップアスリートも意識していたため、「日々のルーティンの中で積極的にアミノ酸を摂るようにしている」と情報としてどんどん発信してくれていたのです。 そのため、トップアスリートを支援する「ビクトリープロジェクト®」は間接的ではありますが、次の世代や子ども達が競泳に向き合っていく上で大切な情報を深く、広く、速く、子ども達まで伝えてサポートできているため、意義は大きいのではないかと思っています。

伊藤
日々のサポートの中でアスリートから相談を受ける場面が多いと思います。サポートしていてよかった、と思う瞬間はありますか?

栗原
それは毎日のようにあります。私たち「ビクトリープロジェクト®」のメンバーは、有名なアスリートだけでなくジュニアアスリートに至るまで幅広い世代のアスリートに接します。いま一生懸命に取組んでいるあらゆる人たちに対して全力でサポートするのが私たちの使命だと思っています。

アミノ酸の説明をされる栗原さん

「アミノバイタル®」の説明をされる栗原さん

"美味しく食べる"ことをメインにしていたが「勝ち飯®」を通じて"美味しくどう食べるか"を伝えることにシフト

伊藤
「勝ち飯®」()はいつからSAKURA Dining(味の素ナショナルトレーニングセンター内の食堂)で提供するようになったのでしょうか。
「勝ち飯®」とは、ひとりひとりの目標をかなえるために、カラダづくりに必要な栄養が無理なく美味しく摂れる献立提案です。味の素(株)が「食」と「アミノ酸」を通じトップアスリートへ栄養管理のアドバイスやコンディショニングサポートを行い蓄積していった長年の知見から生まれたもので、広く一般に向けて情報発信しています。

栗原
2009年5月に味の素(株)がナショナルトレーニングセンターのネーミングライツを取得させていただいてからです。この契約を機に、味の素(株)はアミノ酸の領域だけでなく、調味料、甘味料までサポートできる分野が広がりました。アスリートに限らず、誰しもが日々の食事を通じて栄養を摂取しています。さらによい成績やパフォーマンスを出す上で効果的な体を作るために、アミノ酸や補助食品を活用して栄養を補うべきなのです。まずはベースとなる食事という部分から支えたいという思いもあったため、そういった意味でもサポートできる分野が広がったのは、よい転換点だったかと思っています。「アミノバイタル®」はフィジカルに効く「機能性」のアミノ酸です。一方、味の素(株)(商品)に使われているアミノ酸は「うまみ」として美味しさに深く関わるアミノ酸です。「機能性」のアミノ酸と「うまみ」のアミノ酸の両方を持っているということが非常に重要なことで、これを両軸で展開することによってよりよい食環境を整えることができる、ということが私たちの最大の強みでありポイントだと思っています。それを表現しようとしたのがまさに「勝ち飯®」です。今までは"美味しく食べる"を味の素(株)としてメインでやってきたわけですが、これは"美味しくどう食べるか"を伝える、という活動になります。
ロンドン2012大会くらいから、会社としてこういったアプローチが上手くいくのではないか、と社内で伝えていたのですが、社員にはまだ全然イメージが湧いていませんでした。スポーツの分野で、トップアスリートの食事面でのコントロールがどう世の中に展開できるのか、果たして汎用性を持って広く一般の人に対して浸透するのか、と懐疑的だったのだと思います。
最終的には「勝ち飯®」を全社的に取り組んでいくことになり会社としての認識があがったことにより、私たちのアスリートへのサポートもやりやすくなったように思います。

伊藤
その背景には東京2020大会もあるのでしょうか?

栗原
はい。2020年を目指して()、"何を残すか"、"どのようなメッセージを発信するか"ということに全社的に取り組んでいます。その中で、私たちができることは何かを考え、ベースとしての食事や栄養を考えよう、というきっかけを与えられたと思います。
ロンドン2012大会時点においては、2020年の東京開催は決定しておらず、招致活動をしていました。

お話し中の栗原さん

お話し中の栗原さん

伊藤
競泳はルーティンがあってアミノ酸の必要度が高い、とのことですが、競技によってサポートの仕方も異なるのでしょうか?

栗原
はい。競泳は基本的にたくさんエネルギーを消費する、という志向性を持つ競技ですよね。しかし競技によっては、制限をかけていかないといけないというものもあります。疲れているけど食べると体重が増えてしまう、など"食べる"ということに抵抗を感じるアスリートもいるわけです。しかし、食事をしっかりとって、筋肉を発達させることによってアスリートのパフォーマンスはより良いものになっていく、大切なのはそのバランスなんですよ、ということを伝えていかなければならないと思っています。

勝ち飯について語られる栗原さん

「勝ち飯®」について語られる栗原さん

伊藤
それぞれの競技を理解してサポートのあり方も変えていかなければならないのですね。

栗原
そうですね。それぞれの競技を理解するというのはアスリートをよりよくサポートする上で当たり前の話で、一人一人のアスリート、出会った競技に対してしっかりと理解を深め、その人たちに対して何ができるのかということを実直に考えるということに尽きると思っています。

伊藤
平昌2018冬季大会でもJOC G-Road Station()にお邪魔させていただきました。いつもお鍋のだしの香りがして、振り切った状態のメンタルにいるアスリートにとっては競技を離れて日本を感じられる空間だったのではないかと思います。
JOC G-Road Station:オリンピックが開催される現地で独立行政法人日本スポーツ振興センターが実施しているハイパフォーマンスセンター(旧マルチサポートハウス)の機能を補完するものとして、選手たちからの要望を受けて、いつでも好きな時に和軽食が食べられる施設として、リオ2016大会からJOCが設置。「ビクトリープロジェクト®」の調理スタッフと管理栄養士が常駐し、味の素ナショナルトレーニングセンターにいるときと同じような栄養面のサポートが受けられる施設です。

栗原
同じ食事をとるという行為でも、海外における国際総合大会での選手村のダイニングとJOC G-Road Stationで食べるのとでは日本代表選手にとって安心感が全然違います。何を何のために食べるかということが、まさに「勝ち飯®」プロジェクトが目指すところであり、そこまで私たちは提案したいと思っています。日頃の食卓がどうあるべきか、というのは重要な観点として私たちの中にあり、家庭での食卓の空間がよくなれば子ども達はたくさん食べ、家族もたくさん食べるという様に連鎖していきます。そして会社として事業的にも上向きになっていきますし、もう一段階広げてレストランなどでの食空間の提案までできるようになってくればそれは大きな武器になるわけです。ましてやメンタル的に極限の状態にいるアスリートがこういう空間でこうなったということが理論を持って伝えられるようになれば会社として大きな強みになると考えています。

アスリートがメダルを獲るためだけにやっているわけではありません。メダルを獲るための闘いができる元気な体を、食を通じて実現していきたい

伊藤
アスリートやスポーツ業界をサポートすることに価値はあると思いますか?

栗原
はい、とてもあると思います。アスリートこそ目的を持って自分の体をどうしていきたいか日々考えている方々なので、アスリートが未来に向かって自分のためにこう食べる、というメッセージは一般の方にも理解しやすいのではないかと思います。そこにしっかりと理論があって、科学的にも証明された食事であることが情報として入ることにより、家庭の食卓でも取り入れやすくなるのかな、と。そういった意味で、スポーツから入っていくことが一番シンプルで心に刺さるのではないかと思います。私たちはアスリートを支える活動をしていますが、本当のゴールはそこではなくて、家庭の食卓が元気になっていくサポートをしたいという目標があります。私たちの事業は、アスリートがメダルを獲るためだけにやっているわけではありません。メダルを獲るための闘いができる元気な体を、食を通じて実現していきたい、これに尽きます。

伊藤
東京2020大会に向けていろいろな活動をされていくかと思いますが、具体的に新しくこれから始めることはありますか?

栗原
私たちの会社はアミノ酸の会社なのですが、少し広げるとたんぱく質の会社とも言えます。食事の中でたんぱく質をどれくらい摂取すると体作りにとって有益なのかということをもっと科学的な裏付けをもって指針を出していきたいと思っています。大学と連携する、データを取って研究を深めるなどの活動によって、科学的な根拠を持ってアスリートをサポートできるようになります。科学的な分析を行うスタッフをチームに入れたことによって、より精度の高いサポートができるようになっていくと思っています。2020年までに基盤を固め、2021年以降はそれを一般の方々に対してどのように展開していくかを考える必要があります。2020年が私たちのゴールなのではなく、そこからがまさにスタートだと思って日々取り組むようにしています。

2020年に向って、より緻密で精度の高い食のサポートをアスリートに行うための取り組みを重ねている栗原さん。2020年、そしてその先にはアスリートだけではなく私たちの日々の食へとつながる栗原さんたちの活動には今後も注目ですね!

栗原さんと伊藤華英さん

「勝ち飯®」レシピのレシピ特集(AJINOMOTO PARK)(別ウィンドウで開く)
味の素株式会社 東京2020オリンピック・パラリンピックスペシャルサイト(別ウィンドウで開く)
味の素株式会社(別ウィンドウで開く)
選手の活躍を支えた食のサポート施設 「JOC G-Road Station」(公益財団法人日本オリンピック委員会)(別ウィンドウで開く)