東京メトロ&JR東日本「東京2020大会に向けての共同プロジェクト「TOKYO SPORTS STATION」と2020年のその先に向けて。」

「TOKYO SPORTS STATION」の始動告知となった「1000 days to go」のポスター画像

「TOKYO SPORTS STATION」始動告知

日本の旅客鉄道は、運行時間の正確性、各種サービスの充実など、どれをとってもトップレベルです。東京2020大会の旅客鉄道輸送サービスオフィシャルパートナーである東京地下鉄株式会社(以下、東京メトロ)と東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)も日々の生活に欠かせない機能を担っています。
昨年(2017年)より2社は共同プロジェクト「TOKYO SPORTS STATION」をスタートさせ、東京2020大会の各競技の見どころや観戦ポイントを紹介する動画を制作し、電車のビジョン等で放映することで、大会への気運醸成にも大きな役割を果たしています。
今回は「TOKYO SPORTS STATION」を中心に、東京メトロ・JR東日本両社へお話を伺いました。

「TOKYO SPORTS STATION」の魅力

最近、電車内でTOKYO SPORTS STATIONの映像やポスターをよく目にします。一般の方への情報訴求効果は非常に高いコンテンツかと思いますが、2社でこのプロジェクトを行うことになったきっかけを教えてください。

「TOKYO SPORTS STATION」車いすバスケットボール編

「TOKYO SPORTS STATION」 セーリング編

JR東日本 総合企画本部経営企画部 オリンピック・パラリンピックプロジェクト 田中氏(以下、田中)
東京2020大会の1000日前を契機に同じ旅客鉄道輸送サービスカテゴリーの2社で何かできればという話になりました。両社が連携して気運を盛り上げるプロジェクトとして様々な意見を出し合い、その中から生まれたのが、東京2020大会の各競技の見どころ・観戦ポイントを紹介する「TOKYO SPORTS STATION」です。この企画の始動告知として、JR東日本と東京メトロの車両が交互に並んだ「1000 days to go」のポスターを制作しました。

TOKYO SPORTS STATIONの魅力を教えてください。

東京メトロ 広報部宣伝課 課長補佐 兼 オリンピック・パラリンピック推進室課長補佐 井本氏(以下、井本)
競技の見どころを意外性やちょっとした発見感とともに紹介しているところが魅力のひとつではないでしょうか。そういった面白さから少しでも競技に興味を持ってもらえると嬉しいです。
社内で企画案を説明する際にも関係者から「そういうことか」「知らなかった」といったリアクションがいつもあります。個人的に「そうなんだ!」と感じたのはサーフィン編の「選手は天気図を見れば波の状況がわかる」といった情報です。ささやかだけれどもそうした部分から各競技への興味・関心が始まるのではないかと思います。

東京メトロ 井本氏

東京メトロ 井本氏

田中
トリビア的な面白さをきっかけとして、見ている方が東京2020大会で行われる競技に興味を持っていただき、大会に向けて気持ちを高めてくれたら、と思っています。「面白いな」とか「知らなかった」という気持ちを大切に、今後も企画を考えていきたいですね。
お客さまから「車いすバスケの動画を見ました。ぜひこれからもパラスポーツやあまり有名でないスポーツをどんどん広めて日本を強く元気にしていってほしい。皆さんのこの企画を応援しています」というコメントをいただいたことがありました。とても嬉しく、印象に残っており、プロジェクトを続けるモチベーションにもなっています。

JR東日本 田中氏

JR東日本 田中氏

井本
各競技ともたくさんの魅力がある反面、15秒・60秒の動画と1枚のポスターにそれらの魅力をおさめることが難しいです。そこは両社で知恵を絞って制作を進めています。

「TOKYO SPORTS STATION」の制作物について話す井本氏(左)と田中氏(右)

「TOKYO SPORTS STATION」の制作物について話す井本氏(左)と田中氏(右)

田中
一回見ただけでも理解していただくために、簡潔かつ的確な言葉をチョイスすることが非常に重要だと考えています。社内でも様々な立場の人間がチェックし、修正作業を繰り返しています。

2社によるプロジェクトの難しさ。そこを乗り越えることが、大切な部分。

2社でTOKYO SPORTS STATIONを始めてよかったと思うことは何かありますか?また、プロジェクトを進めるうえで大変だったことを教えてください。

田中
オリンピック・パラリンピックは国を挙げてのイベント。本業である鉄道事業での連携は珍しくないものの、今回のようなコラボレーションが可能になったのは両社の関係を深める非常によいきっかけになったのではないかと思います。一方で大変だったのは、やはり異なる会社ですので意思決定の仕組みやそもそもの価値観も異なり、どのようなものを世の中に出していくのか、をすり合わせる過程です。ただそこを乗り越えることもこの企画の大切なところであると思います。また、今回のコラボレーションを通じて、大会輸送を協力して乗り切っていきたいという思いをより強くしました。

井本
田中さんのおっしゃるとおり、難しいところもありますが、両社が協力して、オリンピック・パラリンピックの気運醸成のために面白いことができるということを実感できたことは良かったと感じています。

TOKYO SPORTS STATIONの今後の展望について教えてください。

井本
まずは東京2020大会で行われるすべての競技を制作することが目標です。
これから東京2020大会に対する社会全体の気運が高まっていく中、この企画が盛り上がりに一役買うことを期待しています。

田中
先日、とあるイベントにて、これまで紹介してきた競技をまとめて放映したところ、イベントに参加した方々からご好評をいただきました。今後も様々な場面で「TOKYO SPORTS STATION」を活用し、より多くの皆さまにご覧いただくことで、東京2020大会への興味・関心を高めていけたらと考えています。

井本
また、この他にもさらに両社の強みを出し合ってできる企画を考えていきたいと思います。

東京2020大会パートナーになったことによる社内の変化。

東京2020大会のパートナーになったことに対する社内の変化や新たに取り組んでいることを教えてください。

井本
私は正直、スポーツにあまり興味・関心がありませんでしたが、当社が東京2020大会のパートナーになったこと、また「TOKYO SPORTS STATION」のプロジェクトに携わることによってスポーツに対する考え方が変わってきたように思います。社内でもこの企画をきっかけに各競技の観戦の呼びかけを行うなどインナー向けの気運醸成にも貢献していきたいと思います。

東京メトロ 鉄道本部 オリンピック・パラリンピック推進室 長田氏(以下、長田)
これまで東京メトロでは、グループ理念である「東京を走らせる力」の実現を目指して、様々な取組みを進めてきました。東京2020大会時も、東京の魅力を伝える「東京の案内役」、円滑な輸送サービスを提供する「東京圏の交通ネットワークのつなぎ役」という変わらぬ重要な役割を果たしていくため、「世界トップレベルの安心でお出迎え」、「地下鉄をわかりやすく快適に」、「沿線地域との連携、東京を楽しく」をキーワードに、浸水対策、ホームドアの整備、バリアフリー設備の整備、多言語対応、銀座線リニューアル等の各種施策を進めています。また、会場最寄駅は普段より多くのお客様にご利用いただくことが予想され、駅構内におけるお客様の安全性の検証や流動阻害要因を特定するために実施した会場最寄駅の流動シミュレーションの結果などをふまえ、駅員、警備員の増配置や多客対応のオペレーション、更には列車増発や終車延長も視野に入れて検討しています。

東京メトロ 長田氏

東京メトロ 長田氏

JR東日本 総合企画本部経営企画部副課長 オリンピック・パラリンピックプロジェクト 石川氏(以下、石川)
当社でも、信濃町・千駄ヶ谷・原宿をはじめとした会場最寄駅の整備を進めているほか、社員一人ひとりがオリンピック・パラリンピックの成功を自らが成長する機会と捉え、一丸となって取り組んでいこうという気持ちになっているところです。お客さまに接する機会の多い駅社員や車掌・運転士だけでなく、メンテナンスに従事する社員からも様々な気運醸成の取組みが立ち上がってきています。

JR東日本 石川氏

JR東日本 石川氏

オリンピック・パラリンピックへは各国選手も含め海外からのお客様が大勢いらっしゃいます。そのような海外からのゲストに対してはどのように考えていますか?日本はやはりすごい、と思って帰ってほしいとは思いますが。

田中
駅には、日本に来てよかったと思ってもらえるチャンスがたくさんあると考えています。JR東日本では、他の鉄道各社にも協力を呼び掛けて、「声かけサポート運動」という取り組みを実施しています。駅社員はもちろんですが、ご利用いただいているお客さまにも困っている方へのお声かけをお願いしています。「声かけサポート運動」が浸透していけば2020年に沢山いらっしゃるであろう海外のお客さまをはじめ、さまざまなお客さまへの対応も自然にできるのではと期待しています。

長田
地下鉄を分かりやすく快適にご利用いただき、競技観戦だけでなく、東京の様々な魅力的なスポットを訪れていただき、東京の魅力を発見していただければいいなと思います。東京を存分に楽しんでいただきたいです。

お話される長田氏と石川氏

お話される長田氏と石川氏

東京2020大会への思い

東京2020大会への思いを教えてください!

石川
社内でオリンピック・パラリンピックを推進するメンバーに加わることができ、これまで知らなかった競技に触れることも多く、東京2020大会に対する思いも非常に高まってきました。私たちが生きている中でオリンピック・パラリンピックに携われるのは一度きりかもしれません。今まで学んできたことや経験してきたことをよりよい形で活かし、様々な人を巻き込んで達成感を共有していきたいと考えています。

井本
東京2020大会は、自分の住んでいる都市で行われる大きな祭典。人生で一度あるかないかの機会に立ち会える幸せをかみしめながら、祭典を支えて盛り上げる仕事をしたいと思います。大会輸送の面においては、当社は公共交通機関として支えることになりますが、東京2020大会を通じて、社としても私個人としても次の大きな目標、もっと大きな高みを目指していくことにつながるのではないかと思っています。そうした体験を社員ができるような企画を考えていきたいです。

田中
今まで自分が考えてきたこと、取り組んできたことを活かして、全力を尽くしたいです。全社員で盛り上げていくことが重要かなと思っています。また、開催地ではないエリアの方々にも今回のオリンピック・パラリンピックは日本全体のものであることを伝えていきたいと思います。そうした活動を社内で実施することも私たちの役割であり、JR東日本は営業エリアが広い分、巻き込める可能性も大きいと信じて頑張っていきます。

長田
鉄道は2020年で終わりになるものではなく、今後もずっとあり続けるものです。東京2020大会には日本各地からはもとより、外国からもお客様がたくさんいらっしゃいますので、東京2020大会の成功に貢献することを通じて、「東京を走らせる力」をグループ理念に掲げる、東京メトロの存在を広く様々な方々に知っていただきたいと思っています。また、私自身もオリンピック・パラリンピック推進室に異動するまでスポーツへはあまり関心がなかったのですが、これをきっかけとして仕事でもプライベートでもスポーツを楽しめればと考えています。

東京2020大会のレガシーについて

ズバリ、東京2020大会のレガシーは何になるとお考えですか?

長田
震災対策、大規模浸水対策等の自然災害対策、バリアフリー設備及びホームドアの整備、さらには駅構内や車内での情報提供の充実など、ハード・ソフト両面での様々な取組みや東京2020大会への気運醸成を進めることは、2020年、更にその先の、国際都市東京のブランド力、魅力向上につながっていくと考えています。また、こういった取組みに携わることで、首都東京の都市機能を支えるという社員の自負も強くなっていくのではないか思っています。

井本
前回の東京1964大会と大きく異なるのは、パラスポーツが発展しているところだと思います。東京メトロは地下鉄の会社ゆえに階段などのさまざまなバリアがあることを踏まえると、バリアフリーが一番のレガシーになるのではないかと考えています。

石川
レガシーはあとからついてくるものではないかと考えています。必ずしもモノではないかもしれないです。井本さんのおっしゃったバリアフリーはもちろん、各々が感じる達成感や大会運営のための情報提供の仕組み・案内ルールのようなものがレガシーになるかもしれません。

田中
JR東日本は昨年(2017年)に、会社発足30年を迎えました。これからの30年に向け、「TICKET TO TOMORROW」をコミュニケーションスローガンに社員一人ひとりが新たな可能性にチャレンジし、レベルアップする事を目標をとしています。レガシーは一言では表せませんが、「TICKET TO TOMORROW」に込められた「新しい可能性に挑戦していく姿勢」がJR東日本のレガシーになるのかな、と思っています。オリンピック・パラリンピックの取組みを、2020年のその先にどうつなげていくか、ということを常に意識しながら施策を行っていきたいと考えています。

日本の旅客鉄道のレベルの高さはそこに携わる方一人ひとりのプロ意識とたゆまぬ改善に支えられていると実感しました。「東京の顔」とも言える駅は2020年にはどのような変化を見せるのでしょうか。今から楽しみですね!

長田氏、石川氏、井本氏、田中氏

(左から)長田氏、石川氏、井本氏、田中氏

東京地下鉄株式会社(別ウィンドウで開く)
東日本旅客鉄道株式会社(別ウィンドウで開く)
「TOKYO SPORTS STATION」の動画ページ(別ウィンドウで開く)