あーりんが語る「アイドルとアスリートの共通点」 ももいろクローバーZ・佐々木彩夏さんインタビュー(後編)

東京2020競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」に登場する佐々木彩夏さんのインタビュー後編をお届け

アイドルとアスリート――。人々の期待や希望を背負い、多くの観客の前で自らのパフォーマンスを披露するということについては共通点があります。アイドルグループ「ももいろクローバーZ(以下、ももクロ)」のピンク担当、"あーりん"こと佐々木彩夏さんの紡ぎだす言葉も、アスリートのそれとさほど変わらないものでした。日々、過酷な舞台で戦う彼らの思考は、分野は違えど必然的に似てくるのかもしれません。

公益財団東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)が制作した東京2020競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」に、コンテンツナビゲーターとして登場する佐々木さんのインタビュー。後編では、アイドルとして活動する佐々木さんが大切にしている考えを伺いながら、長くトップで走り続けるために必要なこと、そして来たる東京2020大会への期待を語っていただきました。

東京2020競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」とは

「本番の神様」みたいなものっていると思うんです

「本番の神様」がいると信じる佐々木さん

アイドルとアスリートに共通点があるとしたらどういう部分だと思いますか?

スポーツの試合は夢や希望、自分たちにはできない、見ることができない世界を見せてくれていると思います。おこがましいかもしれませんが、私たちも元気や笑顔を届けられたらいいなと思っています。

アイドルもアスリートも多くの観客が見ている前でパフォーマンスを披露するところは同じだと思います。そのうえで緊張や不安を感じることもあると思うのですが、佐々木さんはどうでしょうか?

私はあんまり緊張しないですね。ただ、それは周りにメンバーがいてくれるというのがすごく大きいんです。ももクロのライブは1人じゃないので、誰かがミスしても、全力でカバーしますし、もし自分が歌詞を飛ばしてしまっても誰かが歌ってくれるという信頼関係があります。みんながいてくれるので、私は緊張しないんだと思います。それにうちの紫の高城れにちゃんがすごく緊張する方なので、自分よりも緊張している人を見ると落ち着くこともあるかなと思います(笑)。

普段緊張することはないのですか?

普通にじゃんけんとか、勝敗がつくものには負けられないみたいな感じで緊張するんですよね(笑)。メンバーやマネージャーさんとじゃんけんをするときも「絶対に負けないぞ」という思いで緊張しながらやっています。だから勝敗と向き合うアスリートの皆さんは本当にすごいなと思います。

緊張したときに自分を落ち着かせるためにすることはありますか?

自分やメンバーを信じることしかできないので、「私たちならできる」と思い込むようにしています。私は「本番の神様」みたいなものはいると思っているんです。「練習でできなかったことを本番でできるわけがない」と言う人もいますが、私は「本番ならもしかしたらできるかもしれない」と思うタイプです。全てが味方になる瞬間ってあるんじゃないかと思っています。運とか神様までも味方につけるくらいの勢いを、その瞬間に持っていくのは自分の意識によるところが大きいと思うので、「私ならできる、絶対にできる」というのを言い聞かせています。

常に昨日より今日、今日より明日と思いながら

佐々木さんの思考はまるでトップアスリートのよう!?

「本番の神様」はこれまでにも降りてきているのですか?

ライブで降りてきていますね。例えばちょっとのどの調子が悪くて、高いパートのところで声が出るか分からないときなんかは、そのパートの2秒くらい前までめちゃくちゃ緊張するんですけれど、歌い出しのときには覚悟を決めて、「やってやる」と思うようにしています。そう思わないと絶対に出ないので、自分を信じてやると「しゃあないな」と神様も手助けしてくれるんじゃないかなと思っています。

練習やリハーサルでできなかったことを本番でやるのは、すごく不安になると思うのですが?

1回もリハーサルでできないとさすがにできないかもしれませんが、本番は不思議なパワーが出るんです。それは自分だけの努力ではなく、応援してくれる皆さんの気持ちなどがいろいろ積み重なったもので、そのパワーを借りて「一番良いパフォーマンスが本番にできればいいな」と考えています。

本番に強いというのはうらやましい限りです。

もし本番で失敗してしまっても無駄にはならないと思いますが、練習してきた日々を考えると、どうにかして結果に残したいですよね。ライブでも毎回、ベストパフォーマンスをできるわけじゃないかもしれないですけれど、「ここは決めたい」という部分はやはりありますし、それができた瞬間を自分でイメージしながらやっています。

思考がトップアスリートみたいです。

そんなことないですよ(笑)。ただ、ここをこうしておけば絶対にできるという、「絶対」ってなかなかないんです。何が起こるか分からないのが本番ですし、「何が起こるか分からない」という言葉はネガティブに聞こえてしまうけれど、それをポジティブに捉えて「そのぶん何かできるかも」というエネルギーを味方につけられたらなと思っています。やはり少しでも良いライブをすることは、ファンの皆さんに伝わると思いますし、自分たちにも返ってくることだと思うので、常に昨日より今日、今日より明日と思いながらやっています。昨年と一昨年、2年間かけて47都道府県をツアーで回らせていただいたのですが、47回全て同じことをするというのは難しくて、「昨日の方がうまくいった」と思ってしまうこともあったんですね。でもそれは違うなって。「今日できる最善を尽くさないといけないな」と、ツアーですごく感じました。

なかなかできることじゃないと思います。

やはりチームというのが大きいですね。「佐々木彩夏」ではできないことも、「ももクロの佐々木彩夏」ならばできるかもしれないというパワーが、ももクロにはあると思います。1人でライブをするときも、ももクロの私がライブをするし、メンバーが見に来てくれたり、スタッフさんが支えてくれるので、1人でも「ももクロの佐々木彩夏」だと思っています。

ソロ活動をするメリットはどう感じていますか?

チームで大事なのは、いかに4人が同じ目標に向かって、同じビジョンを描けているかだと思います。今回のライブをどういうライブにしたい、この「どういう」を共有できているか。自分がやりたいことというより、ももクロとしてどういうライブを見せたいかが大事なので、1人だとそれがイコール「自分のやりたいこと」になります。そこがメリットかなと思います。

団体競技の成熟したチームのように

表現することで伝えたい思いみたいなものはあるのですか?

ももクロを見ていると「笑顔になれる、元気になれる」と言ってもらえることがすごくうれしいので、皆さんの元気やエネルギーにつながっていればいいなと思います。ライブに来ている瞬間、ももクロの曲を聴いている瞬間を、お仕事や学校の嫌なことを忘れる瞬間を提供できたらいいなと思っています。

佐々木彩夏さん

歌っているときは何か考えていたりするものですか?

もちろん立ち位置とか歌詞とかを考えながらやってはいるんですけれど、やはり退屈そうな顔をしているお客さんはいないかなとか、そういうのは気になります。

気になるものなんですね。

特に夏の野外ライブとかは明るいので、お客さんの表情がよく見えるんですね。私たちはライブをしながらみんなの表情を見ているし、目が合うかなとか思って見ています。それで掛け声を多めに入れようとか。でもたぶん、そういうのはメンバーに伝わるんです。直接会話はしていなくても、「もうちょっと盛り上げたくない?」とか、4人の意志疎通というのがなんとなくできるんですね。お客さんを見て、感じ取る温度感は4人とも一緒で、私がもう少し盛り上げたいと思ったら、他のメンバーもそう思っていて、あおったりとか自然と同じような行動をとるんです。ライブが終わったあとに「めっちゃ盛り上がったね」と思う日はみんな一緒だったりするので、心強いなと思いますね。

そういうのも長年一緒にやっているからこそ感じられるものなんですか?

やはりライブを重ねている経験だと思います。同じ空間、同じ瞬間を共有している数が積み重なるほど、その気持ちは大きくなるような気がします。

まるで団体競技の成熟したチームみたいです。

本当にそうですね(笑)。4人とも性格とか違いますし、たぶん学校で同じクラスにいたら4人で仲良くはならないと思うくらい、みんなバラバラなんですけれど、ももクロとなれば同じ気持ちになれるというのはいいなと思います。

小さなことでも東京2020大会を盛り上げられる

インタビューの最後は決めポーズで「ももいろクローバーZ」

東京でオリンピック・パラリンピックが開催される意味はどういうところにあると思いますか?

海外の方々が日本に来るきっかけになると思うので、「日本って良いな」と思ってもらえる環境を提供できれば良いなと思います。東京2020大会を見に来た外国人に、道を教えたり触れ合ったりすることで、「日本人は優しい」と思ってもらえるような対応をしたいですし、そういう小さいことからでも東京2020大会を盛り上げられると思います。こうしたことにも東京で開催される意味があるんじゃないかと感じます。

東京2020大会に期待することは?

今までのどのオリンピック・パラリンピックよりも盛り上げたいなと思いますね。「東京でやったオリンピック・パラリンピックはヤバかったよね!」と、これからも受け継がれるような、みんなが良い気持ちで楽しめる大会になればいいなと思います。

東京2020大会までに実現したいことはありますか?

ももクロとしては、少しでも大会に関わる仕事ができたらいいなと思います。私個人としては、1つでも多くの競技を見たいです。大会までに勉強したり、選考会なんかも見て、期間中は一睡もしないくらいの勢いで、全部の競技を応援できたらいいなと思います。

最後に東京2020大会への思いや、読者へメッセージをいただきたいです。

ついに1年後に迫った東京2020大会。私もすごくワクワクドキドキしています。日本代表のアスリートの皆さんが活躍できるよう、私も応援していきたいと思います。皆さんでたくさんたくさん東京2020大会を盛り上げていきましょう。以上、私たちいま会えるアイドル、 週末ヒロインももいろクローバーZの佐々木彩夏でした。

東京2020競技紹介動画「One Minute, One Sport」アーチェリーバージョン

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