東京2020アスリートビジット 眞田卓選手(車いすテニス)インタビュー

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、2018年1月22日、虎ノ門オフィスに車いすテニス競技の眞田卓選手をお迎えし、東京2020組織委員会職員と交流を深める「東京2020アスリートビジット」を開催しました。
また、同日、眞田選手にインタビューを行い、車いすテニスの魅力、東京2020大会への想い、東京2020組織委員会への期待などを語っていただきました。

眞田卓選手インタビュー

入念な準備が試合に集中するカギ

競技の持つ魅力、競技のポイントや見どころからを教えてください。

車いすテニスは、2バウンドまでの返球が認められていること以外は通常のテニスとルールがほぼ変わらないので、誰にでもわかりやすいという点があると思います。老若男女、障がいの有無に関わらず、一緒にラリーが楽しめます。

また競技としては、車いすに乗ったダイナミックな動き、チェアワークが見どころです。テニスと車いす操作の二つに意識を向けながらプレーするのですが、ボールを打つ方向、車いすの加速、ブレーキングなど、選手ごとの戦略にも注目です。

テニスのプレーと車いすのチェアワーク両方に意識を向けるのは非常に難しいように思えるのですが、眞田選手の場合は自然に身についているのですか?

もちろん簡単なことではありません。プレー中は、車いすを自分の足と同様に使わないといけないのですが、私は普段車いすに乗って生活をしていないので、そこまでの域に達していません。これが自分の課題です。ですので、トレーニングでは、テニスの練習を3~4時間した後、車いす操作の練習を1時間、フィットネスを1時間、それに加えて気になるところにフォーカスして1時間の練習を行っています。
車いすテニスは、腕だけではプレーできません。腕の力に耐えられる腹筋、上半身を安定させる下半身のパワー、瞬発力など、全体のバランスが大事なんです。

「戦略に注目」とのことですが、対戦相手によって戦略は変わってくると思います。どのように戦略をたてていらっしゃるのですか?

私は、現在世界ランキング8位なので、自分より上位の選手にフォーカスして戦略を練ります。例えば、自分をサポートしてくれているスタッフと一緒に動作・映像解析を行い、サーブの確率や相手の弱点・癖などを研究して、自分の頭に入れ、しっかり準備をして対戦に臨んでいます。自分にとって、準備はとても大切です。準備をしていくと迷わないですし、不安を取り除いてゲームに集中することができます。

海外の方からみると日本は「おもてなしの国」

これまでに多くの海外の大会に出場した経験をお持ちかと思いますが、日本でパラリンピックを開催するにあたり、一人の選手として、一人の日本人として、海外から来られる選手や観客をどのような気持ちでお迎えしたいとお考えですか?

初めて、ロンドン2012大会に出場した時に、とても楽しかったんです。もちろん、自分自身が初めてパラリンピックに出場したということもありましたが、ホスト国の盛り上がりをすごく感じたからだと思います。現地の人との交流が多くて、選手を見かけると、とにかく話かけてくるんですよ。選手に会えるのを楽しみにしてくれていることが伝わってきて、歓迎されているんだなと身をもって感じました。リオ2016大会でも同様でした。そういう面で、パラリンピックは通常の大会とは全然違ったと思います。国をあげて、この大会を楽しみたいという気持ちが伝わってきました。

東京2020大会では、日本人がどこまでそれを伝えられるのかが、一番のキーになってくると思いますね。黙って陰から選手の写真を撮るのと、握手を求めて選手と写真を撮るのとでは、海外の選手に与える印象は大きく違います。海外の選手からすると、日本はおもてなしの国、ホスピタリティーに優れているイメージが強いので、その期待に応えて、またぜひ来たいと思ってもらえるようにしたいです。

運営面で期待することはありますか?

やはり、選手にとってのパラリンピックは競技がメインです。万が一のことを想定して万全なケアをし、選手がベストな状態で臨めるように準備をしてほしいです。それは、衛生面、食事面、移動などすべての場面においてです。当たり前のことですが、一番大事なことですから。

健常者も障がい者も両方経験している自分だからこそ発信できることがある

車いすテニスを通して社会貢献がしたいと考えていらっしゃるとお聞きしました。

車いすテニスを通して、障がいのある子どもたちへ将来に向けた可能性を示したり、目標や夢を持ってもらえるような存在でいれたらいいなと思っています。
自分は19歳の時、事故に遭いました。健常者も障がい者も両方経験している自分だからこそ発信できることがあると思いますし、障がい者のことを理解してもらう架け橋になれるのではないかと考えています。東京でパラリンピックが開催されますので、自分がメディアに出て車いすテニスについて発信し、多くの人に知ってもらうことも一つの社会貢献になればと思います。

コートに立つのは1人でも、仲間とともに積み重ねてきたものをぶつける

東京2020組織委員会は「one team」をコンセプトの1つに掲げ、大会準備を進めています。車いすテニスは個人競技ではありますがスタッフや仲間、支えてくれる方々の存在など、one teamを感じることがありましたら教えてください。

試合中は、コートに立つのは1人なのでとてもさみしいんですよ(笑)
だけど、試合に出るまでは、コーチ、スタッフ、メンタルトレーナー、家族、所属会社の同僚など、多くの方々にサポートしてもらっています。たくさんのサポートや応援があって、試合に向けて準備し、コートに立っています。コートに立つのは1人ですが、仲間とともに積み重ねてきたものを相手にぶつける、それが自分の車いすテニスかなと感じています。

トップ選手との対戦経験を増やし、勝率を高めることがメダル獲得のカギ

東京2020大会まで2年半となりました。眞田選手は、この2年半という期間をどうとらえていますか?また、日々厳しいトレーニングをされていることと思いますが、大会に向けての現在の準備状況について教えてください。

早くも感じるし、長くも感じますね。昨年はリオ2016大会を終えたばかりだったということもあって、あっという間に1年が経ちました。やらなければならない自分の課題が多かったからですかね。

2020年でメダルを獲得するには、(現在世界ランキング8位なので)残り5人倒さないといけない。今は、そのための準備をしています。
昨年の暮れぐらいから、トップ選手と戦う機会を増やしてきました。その甲斐もあって、先日出場した大会では自分より上位の選手2人に勝利することができ、効果が出てきていると感じています。今年も同じようにして、トップ選手との対戦経験を増やし、勝率を高めることで、2020年にメダルをとれる可能性を広げていけるのではないかと考えています。直近の目標は、今年開かれるアジアパラ競技大会のシングルスで優勝することです。優勝すれば、東京2020パラリンピックに出場できるワイルドカードがもらえるので、2020年のメダル獲得にまた一歩近づけると思います。2020年までの長期的な目標を見据えて、目の前の準備をしていますね。
今は、ロンドン2012大会、リオ2016大会の時よりも、応援してくれる人が増えました。その人達の期待に応えるためにも、自信をもってメダルに近づきたい、結果を出したいという気持ちが強くなっています。2020年を迎えるのが楽しみですね。

眞田選手のインタビューから、日々のトレーニングから競技に真摯に取り組み、努力し続ける眞田選手の姿が容易に想像できるほど熱く、誠実なアスリートでした。私たち東京2020組織委員会は、眞田選手の言葉にあったように、「コートに立つ選手が積み重ねてきたものをぶつける」ための大会運営に向けた準備を進めてまいります!

眞田卓選手 インタビュー動画(別ウィンドウで開く)

車いすテニス 競技紹介 「世界最高峰のチェアワーク。相手を先読みし、最高の一打を打ち放つ。」

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インタビューに答える眞田選手1 インタビューに答える眞田選手2 サインする眞田選手 記念写真