国際オリンピック休戦財団(IOTF)理事会にてプレゼンテーションを実施

一般財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、スイス・ローザンヌで開催された国際オリンピック休戦財団(IOTF)理事会にて、森喜朗組織委員会会長と村里敏彰組織委員会国際渉外・大会競技運営局長がプレゼンテーションを行いました。


プレゼンテーション要旨: 

森喜朗 組織委員会会長

・国際オリンピック休戦財団が掲げる「スポーツとオリンピックの精神を通して平和を促進させる」という理念。これは、太平洋戦争の終了後70年近くに渡り、国際社会における平和と安定を実現してきた平和国家である我が国の理念と相通じるものがあります。

・私が名誉会長を務めている日本体育協会では、3年前に行われた創立100周年記念式典において「スポーツ宣言日本」を発表しました。その中で、日本のスポーツ界が果たすべき使命として「スポーツにおけるフェアプレーの精神を広め深めることを通じて、平和と友好に満ちた世界を築くことに寄与すること」を掲げました。この宣言は、日本体育協会初代会長で、アジアから初めてIOC委員に就任した嘉納治五郎の志を受け継ぎ、今後のスポーツ界を支えていく指針となるものです。

・嘉納治五郎はIOC委員になる前から、日本国内において柔道を通じた人間教育の実践、学校体育や生涯スポーツ等の「スポーツ・フォー・オール」の振興、スポーツによる国際交流の推進に取り組んでいました。

・嘉納は、「精力善用 自他共栄」を理念として掲げていました。「精力善用」とは、心身の持つすべての力を最大限に生かして、社会のために善い方向に用いること、「自他共栄」とは、相手を敬い、感謝することで、信頼し合い、助け合う心を育み、自分だけでなく他人と共に栄えある世の中にするという意味を持ちます。これらの理念は、オリンピズムの価値である「卓越・友情・尊敬」に相通ずるものです。

・東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会も、この偉大な先人の精神を継承し、スポーツを通じて国際交流を深めるとともに、オリンピック精神のさらなる推進に寄与し、平和でよりよい社会の実現を目指します。


村里敏彰 組織委員会国際渉外・大会競技運営局長
・2011年3月に発生した東日本大震災以降、日本人は改めてスポーツの力に気づくことができました。震災後、オリンピアンを含む世界の多くのアスリートが被災地に足を運び、子どもたちを中心とした被災者と交流して参りましたが、カラダを動かして少しずつ笑顔になっていく子どもたちの様子を目の当たりにし、また、そこに生まれる一体感を通じて、我々はスポーツの力、アスリートの社会における役割を再認識しました。2020年の大会開催を通じ、我々はそのスポーツの力を世界に伝え、世界におけるスポーツの価値向上に貢献し、オリンピック・ムーブメントの一層の推進に貢献したいと考えています。

・若い世代に対するオリンピック教育プログラムの展開も、オリンピック・ムーブメントの推進には欠かせません。近年では東京都やJOCが学校にオリンピアンを派遣し交流するプログラムにも着手しており、学生がオリンピック・ムーブメントを身近に感じる機会として、今後さらに推進していきたいと思います。

・各学校や大学がNOCと対になる「1校1NOC運動」等も、学生にオリンピック精神を広める取組みです。「1校1NOC運動」は、1998年の長野大会から始まった日本発の取組であり、誇らしいことに、以後すべてのオリンピックで継承されています。22年ぶりに日本に帰ってくるこのプログラムを、さらに充実させたいと考えています。

・スポーツを通じた国際社会への貢献の例としては、国の「スポーツ・ フォー・トゥモロー」を紹介したいと思います。日本は過去40年以上にわたり、80以上の国に3,000人以上のスポーツコーチを派遣して参りました。政府はこの取組みを発展させ、2020年までに100カ国1000万人にリーチする規模になります。これらは、「スポーツとオリンピック・ムーブメントの推進」「国際スポーツリーダーの養成」「国際的なアンチ・ドーピングの取組に対する一層の支援」を柱としています。
 
・オリンピック期間中の休戦プログラムについては、IOCに相談し、他のOCOGのよい例を学びながら、今後、東京の計画・実施を進めます。


Photo: IOC/Christophe Morata
理事会の参列者 プレゼンテーションの模様