TOKYO2020 未来への提言 脳科学者 茂木健一郎さん

私は昨年の震災の後、被災地に何度も足を運びました。本当に厳しい状況が続いているのですが、今一番必要なのは、希望であり、夢であると思います。やはり人間ってこれから楽しいことが起こるとか明日が良くなるとかいうものがないと、なかなか今日を頑張ることなんてできません。脳の研究をしていると、そのことを実感します。

オリンピック招致は無駄遣いだとか復興の方を優先した方がいいという風におっしゃる方がいらっしゃるのですが、まさにその復興をしたいがために、今復興を頑張るために、やはり東京でオリンピック・パラリンピック開催という夢を描くことが大事なのではないかと思います。

脳には、危険を冒してでも不確実なものを楽しんでしまおうという所がります。我々脳科学者はリスクテイクと呼びますが、小学生の時に遠足に行く前の日にワクワクして眠れないような脳の働きです。それが本来の脳の姿なのです。ところが最近の日本人の脳はなるべくリスクテイクしたくない、どうなるかよく分からないことには関わりたくないという風になってきています。

確かにどうなるか分からないから、いろいろやらなくてはならないことがあるし、大変だと思います。
でも、脳には本来「大変だからこそ楽しい」という気持ちがあるはずなのです。
それがうまく働いてないような気がしますね。だから、大会招致を盛り上げるには、オリンピックだけのためでなく、日本の社会全体にとっていいことなのだという方向に持っていくことが重要なのです。

いざ蓋を開けてみると、必ず盛り上がると思います。
人間ってそういうものですから。絶対に凄く楽しいですよ。
茂木健一郎さん