地域巡回フォーラム in 熊本(熊本大学)

概要

日時:平成27年10月18日(木) 16時30分~18時30分
会場:熊本大学 黒髪キャンパス 工学部百周年記念館
主催:公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
共催:国立大学法人 熊本大学
参加者数:130名

参加大学(24大学)

■福岡県
九州工業大学、九州大学、福岡教育大学、北九州市立大学、九州国際大学、西日本工業大学、日本経済大学、福岡大学
■佐賀県
佐賀大学
■長崎県
長崎大学
■熊本県
熊本大学、熊本県立大学、九州ルーテル学院大学、熊本学園大学、熊本保健科学大学、平成音楽大学
■宮崎県
宮崎大学、九州保健福祉大学、南九州大学、鹿児島大学、鹿屋体育大学
■茨城県
筑波大学
■東京都
東京女子体育大学
■奈良県
奈良女子大学

参加自治体・行政

■鳥取県
鳥取県、邑南町
■山口県
山口市
■長崎県
長崎県
■熊本県
熊本県、玉名市
■大分県
大分県
■宮崎県
宮崎県、宮崎市

学生運営ボランティア

熊本大学、熊本県立大学、熊本学園大学

フォーラム会場の様子 メモを手に発言する男性参加者 立ち上がって発言する男性参加者

プログラム

■主催者挨拶
布村 幸彦(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会副事務総長)
■共催者挨拶
原田 信志(熊本大学長)
■講演
「オリンピックとクーベルタン」
和田 浩一(フェリス女学院大学 教授)
「2020年大会概要について」
雜賀 真(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会CCO・総務局長)
■意見交換
  • ・コーディネーター
    真田 久(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与/筑波大学 教授)
  • ・アドバイザー
    和田 浩一(フェリス女学院大学 教授)
    楢﨑 教子(オリンピアン 柔道 アトランタ大会銅メダル・シドニー大会銀メダル/福岡教育大学准教授)
    雜賀 真(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会CCO・総務局長)

主催者挨拶 布村副事務総長

このフォーラムは、大学あるいは大学生の若い人たちに2020年の主役になっていただきたいという主旨で開催させていただいております。私たち組織委員会は去年の1月に発足し、「スポーツには世界と未来を変える力がある。」という言葉から始まるビジョンを掲げました。そこには、できるだけ広がりを持った大会にしようという意味を込めています。2020年のオリンピック・パラリンピックは、東京で開催されるスポーツの祭典ですけれども、分野としてスポーツのみならず、文化的なプログラム、あるいは今日のフォーラムもその一環ですけれども教育的な活動、科学技術や最先端のテクノロジーの活用などに取り組み、広がりを持った大会にできればと思っています。また、地域的な広がりとしては、オールジャパンの方々のご参加をいただいて、日本国中の力でおもてなしをし、世界の方々を迎えたいと思っています。更に、時間的な広がりとして、2020年までの4年間に文化プログラムあるいは教育活動を全国的に展開して、日本の良さを外国の方々に一生懸命アピールし、2020年の大会にぜひ参加してみたいという気持ちになってもらえればと思っております。その上で、2020年の大会が終わった後、レガシーとして何か次の世代、若い世代の方々に繋がるものを残していきたい。昭和39年の東京オリンピックでは、高速道路や新幹線が開通し、日本国中の経済の骨格が作られました。スポーツの面でも体育の日が制定され、スポーツ少年団が全国に広がりました。様々な形の広がりをもって、スポーツの力が日本を大きく変えるきっかけになりました。では、2020年の大会は何をもって大会を盛り上げ、どのような大会にするのか、先ほどの3つの広がりを考えながら準備をしています。そういった中で、この大会の盛り上げには大学の力、若い学生の方々の力をぜひお貸しいただきたい、という気持ちでこのフォーラムを開催しています。2020年のオリンピック・パラリンピックは、このような大会にしたらいいのではないか、あるいは自分ならばこういったことをしてみたい、という具体的なご提案をドシドシお寄せただければと思います。来年のリオオリンピックが終わると東京の出番ですので、4年間に渡って何をしていくのかということを明らかにしようと、私たちは今、アクション&レガシープランというものを作っています。その中に盛り込ませていただき、アクションにつなげていきたいと考えています。積極的にご発言をいただいて、一緒になってオリンピック・パラリンピックを作っていただく、そういったキックオフになればと願っております。

挨拶をする布村副事務総長

共催者挨拶 原田大学長

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、早くもあと5年後ということになりました。一昨年のブエノスアイレスでのプレゼンテーション及び開催地決定の瞬間を皆さんもよく覚えていることと思います。アスリートの皆さん、またオリンピック・パラリンピックの開催に携わっている方々は、もう既に大会に向けて努力・準備をされているとのことであります。地方の大学や行政においても、オリンピック・パラリンピックに向けて、何かできることはないか、あるいは開催地だけで盛り上がるのではなくて、地方においても盛り上げて、大会の機運を高めるためには、我々がどのようなことができるのか、そういったことを考えていく必要があるのではないかと思っております。その意味で、今日このようなフォーラムを本学で開催することができ、非常に嬉しく思います。これを契機に、地方の大学としての活動を更に進めていければ、このフォーラムが、そのためのきっかけになればと思っております。

挨拶をする原田大学長

講演

「オリンピックとクーベルタン」和田 浩一(フェリス女学院大学 教授)

クーベルタンがオリンピックを作るに至った三つの大きな要因を紹介したいと思います。一つ目は戦争の体験です。二つ目は古代オリンピックへの関心。三つ目がパブリック・スクールへの注目です。一点目の戦争の体験については、1870年、クーベルタンが七歳の時、フランスとプロイセンとの戦争、いわゆる普仏戦争がありました。彼が住んでいたパリでも多くの人が亡くなっています。また、この普仏戦争の後、プロイセンと和平交渉を結んだ王党派と、最後まで徹底抗戦すべきだと主張した急進派により、フランス人同士がパリで戦争をしました。クーベルタンは、七歳にして戦争で人が死んでいく姿を目の当たりにし、非常に強い印象を受け、戦争は悪夢だと考えました。二点目の古代オリンピックへの関心についてですが、クーベルタンは、古代オリンピックをモデルとして近代オリンピックを作りました。その古代オリンピックを支えた三つの思想をご紹介したいと思います。一つ目はカロカガティアという思想です。これは美しいものは良いものである、美なるものは善である、という思想です。二つ目はエケケイリアという思想です。これは古代オリンピック期間中を含む前後計3ヶ月間、オリンピックをやっている間は戦争をしないという取り決めです。三つ目はスポーツと文芸との融合です。古代オリンピック大会はスポーツの競技会だけではなくて、彫刻や音楽、詩、文学といった芸術系のコンクール、競技会もありました。つまり、スポーツだけで良しとするのではなくて、芸術も含めた人間性も高めるとこういう思想をクーベルタンは近代に持ち込もうとしました。三点目のパブリック・スクールへの注目についてです。クーベルタンは、二十歳の時にイギリスに渡って色々なパブリック・スクールを視察しました。当時イギリスは政治的にも軍事的にも金融的にも産業の面でも世界でナンバーワンの国でした。その国を支えているのはパブリック・スクールという教育システムを通して育ったイギリス人である、そしてこのパブリック・スクールの中には生徒自身の自由な自治的な活動がある、そしてこの活動の中心にはスポーツが据えられている、とクーベルタンは分析しました。体の面だけではなくて、知性の面、それから人間的なあり方の面、それから美しいものを美しいと感じる感性の面、これらすべてを含む新しい教育学が必要である。この教育学を生み出す活動がオリンピックだ、と彼は言っています。他人・他国のことを知らない、知ろうとしないという態度は憎しみ・誤解に繋がり、憎しみ・誤解が戦争に繋がっていく。しかし、このような無知は、オリンピックで若者が出会うことによって、様々に消え去っていく。いっぺんには消えないけれど、徐々に消えていく。人々は、互いに関わり合いながら生きているのだと。オリンピックを開く、つまり4年に1度、地球上の色々な都市で若者たちをスタジアムに集めて、体も知性の面も、それから心の面も、自分の枠の外には色々な世界が広がっているのだということを感じることによって戦争を無くしていこう、これがオリンピックを立ち上げた説明です。クーベルタンの考えたオリンピズムは決して体育、スポーツのことだけではありませんでした。知育、徳育も彼の頭の中にはありました。ここは大学連携のフォーラムですから、大学の中には体育もあるけれども、もちろん知の部分、人間を作るという大事な要素があります。これらすべてを含めてどういう教育が平和を構築できる人間を作り出すのか、こういったことを考えていくことが重要だと思います。

講演するフェリス女学院大学 和田浩一教授

発表

■これまでの成果と今後の展開について

これまでの成果と今後の展開について

1. 福岡大学「福岡大学史上初大運動会」

私は、昨年10月に行われた地域巡回フォーラム九州ブロック大会で、福岡大学と地域が連携した大運動会を開催したいという思いを述べさせていただきました。他学部との関わりが少ないことを、私はずっと問題に思っていました。また、地域に根付いた環境を活かせていないとも感じており、福岡大学に関わる年代や学問を越えた人々が集まる場所を作ろう、スポーツを通してそのような場を作ろうと思いました。この大運動会は、お年寄りから小さな子供まで、すべての人たちがスポーツを通して、一つになることを目的としています。学生の皆さんがやりたいと思うことがあるなら、まず声を上げてみてください。そして分からないことがあれば、きっと大人の方々が助けてくれると思います。そこで若者と大人のつながりができて、皆でこの日本を良くしていこうという動きがオリンピック・パラリンピックを通して、できたらいいなと本当に思っています。自分の場所で、自分ができることで、この日本を盛り上げていく活動がもっと広がったら、すごく素敵だと思います。

成果を発表する学生

アドバイザー フェリス女学院大学 和田教授より

クーベルタンが、パブリック・スクールで見た通り、伊達さんの活動は、自由な活動であり、その中心にはスポーツがあります。そして自由とスポーツが、地域と結びつき、また、世代間を繋ぐ、このような広がりが見られる点が、非常に良いと思いました。クーベルタンは、オリンピズムというのは一つの民族、一つの時代の物ではないと言っています。彼自身が気づいていないオリンピズムがあると言っています。オリンピズムを、後世の世代、フランス人ではないアジアの我々が作り出していくことが、オリンピック・ムーブメントに求められていることであると解釈すると、伊達さんによる大運動会は、まさにこの新しいオリンピズムの創造であると感じました。

2. 宮崎県「宮崎県の取り組み~SPORTS LAND MIYAZAKI」

本県は、温暖な気候や充実したスポーツ施設を活かし、スポーツキャンプや合宿の誘致に、積極的に取り組んでいます。昨年度から、宮崎大学医学部と連携し、メディカルチェックを実施しています。これは、継続的に行っていただくとことによって、宮崎県のキャンプを通じて、自分たちの身体がどのように変わっているかが分かる仕組みになっています。地方版ナショナルトレーニングセンターという位置づけを宮崎に持ってこられないかと考えています。また、県内のサッカーグラウンドは、すでにほぼ飽和状態になっています。そこで、宮崎大学農学部と連携し、大学のグランドを冬芝化して、新規のサッカーチームを誘致できないかと考えています。宮崎県栄養士会、大学の栄養学の先生と連携して、宮崎のアスリートフード開発も行っています。宮崎で合宿をしていただく皆さんに、更に成果が高まるように、効果のあるメニューの開発等を行っています。今後も、大会開催に向けて、大学と連携を図っていきたいと思っております。

宮崎県の取り組みについて発表する男性

アドバイザー 福岡教育大学 楢崎准教授より

非常に心強い試みだと思います。海外選手の受け入れは、日本の良さ、宮崎の良さ、を知っていただく機会になると思います。大学でそのような試みができれば、良いと思います。実際に、キャンプを受け入れたときに、大学生がボランティアとして活動ができるのか、そのようなことを直前になってから動くのではやはり難しいと思います。何がうまくいっているのか、何がうまくいかないのか、何が分かりにくいのか、そういった課題を見つけるためにも、まず動き出してみないと分からないと思います。宮崎はスポーツキャンプを多く受け入れていますので、そのような実績を活かしていただければと思います。

意見交換

1. 2020年大会に向け、学生が計画をしている活動について

熊本大学の体育会では、地域のスポーツ振興や、県内の大学が集まって、いろいろな競技をやっていくという企画をしています。これからの僕たちの活動の中で、オリンピックという大きなイベントがどう関連していくのか、もう一度考え直すいい機会になった有意義なフォーラムでした。(熊本大学・学生)

大学で吹奏楽部に所属しています。先月、県内の大学と合同で、地域の人に演奏会を聞いていただく機会をいただきました。スポーツではないですが、文化、音楽という形で地域の人に恩返しができる、そういった機会を持てたことを非常にうれしく思いました。今回の東京オリンピック・パラリンピックも、熊本というところで遠い存在という考えもありますが、何かできることがあったら、携わりたいと思っています。(熊本県立大学・学生)

オリンピックが決まるちょっと前に東北のことがあり、私はオリンピックに反発がありました。今日を迎えるにあたって、本当はここにいていいのかと思っていました。あまりオリンピックに興味が無く、嫌悪感があったのですが、クーベルタンによるオリンピックの始まりや、文化との関わりを聞いて、うまく関われたらいいなと思いました。オリンピックを受け入れた理由として、東北が背景の一つにあるのではないかと思います。各地方の盛り上がりも大切だと思いますが、日本だけではなく、世界で困っている人たちもオリンピックを通して楽しい経験ができたり、辛い状況から脱したり、そう人たちに還元があるような大会になると良いな、と、楽しいことばかりではなくて、そういうことも少し意識していただきたいという意見です。(熊本大学・学生)

今、大学の垣根を超えて大学生同士が協力して、福岡を盛り上げていこうという活動が始まっています。来年のリオ大会が開催されるときに、福岡市役所の前で福岡ミニオリンピック・パラリンピックを地方に住む若者が企業と連携してできないかと考えています。2016年からオリンピック・パラリンピックを意識する若者が増えることは、ボランティア参加にもつながると考えます。例えば、ブラインドサッカーのようなパラリンピック競技体験を入れる、国際交流を伝える学生団体が日本文化の体験コーナーを実施する、そのようなイベントができないかと思っています。来年度以降、各地域で文化的プログラムがあるのであれば、それを福岡の若者の力でするというのは可能なのでしょうか。(福岡大学・学生)

アドバイザー 組織委員会 雜賀局長より

現在、文化プログラムの枠組みを作っています。大きな枠組みを作って、その中に各地域やいろいろな年代層からの提案をいただいて、それを東京大会の文化プログラムと位置付けていきたいと思っています。そして、おっしゃられた様に、これが次のボランティアや、次のイベントに繋がっていくことになれば、4年間ずっと続けていけますので、是非具体的な話を進めていきたいと思っています。

文化プログラムの枠組みについて語る雜賀局長

2. 2020年大会に向け、自治体や大学が計画をしている活動について

うちの大学は医療系の田舎の小さな大学で、オリンピックという大きなテーマと、どうつながりができるかと考えながら来ました。話を聞いていると、もしかしたら、うちもやれるなという気になってきました。8年前から地域の人たちと連携し、出前授業やボランティア、健康チェックなどをやっています。小さい大学ながら、学生たちは地道に真面目にやってきています。これらを横に拡げていけば、視野が大きくなっていくのではないかと、今日、先生方のお話を聞いて、いいチャンスだと思いました。今日学生を連れて来なかったのが非常に失敗で、連れてくればもっと前向きな話が具体的に出来たかもしれません。(熊本保健科学大学・教員)

陸上部の顧問をしております。陸上部では子どもたちの陸上教室、小学校、中学校の体育連盟の指導等、市町村に出向いて指導する形で地域支援をしております。もともとやっていることをどう、オリンピック・パラリンピックに繋げていくかという視点も必要なのではないかと思います。継続してきたものを更に繋げて、大きなものにしていくことも非常に大事かなと思っております。(熊本大学・教員)

去年の福岡フォーラムに出席し、皆様といろいろお話をしました。音楽をしている者たちは、スポーツ大会が行われるときは、プロジェクトを組んで対応しております。去年、フォーラムから帰り、早速何かできないかとやっております。スポーツをされている方々からも、音楽の分野を欲していただければと思います。頑張りますので、是非音楽の方も忘れずによろしくお願いします。(平成音楽大学・教員)

アドバイザー フェリス女学院大学 和田教授より

実は私は、招致の時に東京を応援していたわけではありませんでした。実際、反対意見も多いと聞きました。しかし、決まったからには、研究しているクーベルタンの理念を伝え、それをわかった上でのオリンピックにしてほしいと思ったのですが、その時に、批判的なことも含めて、教育するのが大学の教育なのではないかと思ったのです。影となっているいろいろな問題・課題がそこにはあります。それを大学としても、きちんと認識しながら、解決に結びつくようなアイデアを出していく、このような課題を突きつけられたのかと感じました。私自身も神戸に20年住んでおり、阪神淡路大震災に遭いました。経験から言うと、まず、生きていくことが大事ですが、復興が長引くにつれて、人間らしさを感じる場面が少なくなることに非常に苦痛になりました。そこを解決するには、政治、経済だけではなく、実はスポーツや芸術、そういう力が必要なのではないかなと思います。スポーツ、芸術、教育等、日本全国にある既存のものが繋がっていき、それを人間的な生き方の創造であるのだと整理できれば、これは、世界のオリンピック・ムーブメントにとっては非常に大切なことになるのではと感じました。

アドバイザー 福岡教育大学 楢崎准教授より

この地域巡回フォーラムは2回目の参加です。今までは、出場する選手として、自分の力を発揮することだけを考えていましたが、オリンピックを東京で開催することを受け、皆さんがこれだけ色々と考えられているということ、それから、大学を中心にオリンピックのために何かできることがないかと考えるのは、非常に面白いと思いました。今までやっていることを、どのようにしてオリンピックに繋げていくのかという話がありましたが、特別なことではなくて、大学の施設を利用したり、そういった身近なところから考えてみては、と思った次第です。

考えを述べる楢崎准教授

アドバイザー 組織委員会 雜賀局長より

パラリンピックの話をします。東京マラソンは、健常者と車イスが同じコースを走っています。オリンピックでそれができないのかという議論もありました。幅跳びは、オリンピアン・パラリンピアンがほとんど同じ距離を飛んでいることがあります。いい勝負ができるかもしれません。しかし、実は、IPCは今、それを求めていないのです。オリンピックにはオリンピックの世界があるように、パラリンピックにはパラリンピックの世界があります。それぞれが至高のスポーツだと言っています。これが現状で、我々はパラリンピックの価値を高め、オリンピックと同じように価値を認識することが必要だと考えています。その上で、将来的には同じ大会なるということがあってもいいのではないかとIPCの方はおっしゃられていました。医療系、福祉系、理工系の大学の中で、パラリンピアンの支援について、アイデアが沢山寄せられています。大学連携の中からも、パラリンピックに対する活動がやっていければと思います。

まとめ 筑波大学 真田教授

オリンピック・パラリンピックを通して、これを機会として、地域の活性化をみんなで考えていく、これはそのまま新しいオリンピック・ムーブメントになっていくのではないかと感じています。オリンピック・パラリンピックが、トップアスリートの為だけではなく、みんなのスポーツというところまで行かないと、最終的な価値は存在しないだろうと感じています。これは嘉納治五郎先生のもともとの考えであります。このことを、嘉納先生が第五高等学校の校長をされた、この熊本の地で確認をしておきたいと思いました。今日見た五校の資料に先生の言葉で「道に従えば勝ちを制し、逝いて人を損なわず」という素晴らしい書が掲げられていました。道に従っていくことで必ず成功していくという教えだろうと感じております。オリンピック・ムーブメントは何なのかという和田先生の講義、そして、嘉納治五郎先生が目指していた理想とは何なのかということに従っていけば、必ず素晴らしいオリンピック・ムーブメントが日本から起こせるのではないかと感じました。是非とも学生の皆さんの活躍を益々期待したいと思います。

総括をする筑波大学 真田教授