地域巡回フォーラム in 香川(香川大学)

概要

日時:平成27年8月6日(木) 18時~19時30分
会場:香川大学 幸町キャンパス OLIVE SQUARE 多目的ホール
主催:公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
共催:国立大学法人 香川大学
参加者数:150名

参加大学(19大学)

■岡山県
岡山大学、岡山理科大学、環太平洋大学
■広島県
福山大学、福山平成大学
■山口県
山口大学
■徳島県
徳島大学、鳴門教育大学、四国大学
■香川県
香川大学、香川県立保健医療大学、香川短期大学、高松大学
■愛媛県
愛媛大学、愛媛県立医療技術大学、松山大学、松山短期大学
■高知県
高知工科大学
■大阪府
大阪経済大学
フォーラムの様子 フォーラムの様子

参加自治体・行政

■岡山県
岡山県
■広島県
広島県
■徳島県
徳島県
■香川県
香川県
■愛媛県
愛媛県
■高知県
高知県

学生運営ボランティア

鳴門教育大学、香川大学、愛媛大学

プログラム

■主催者挨拶
佐藤 広(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長)
■共催者挨拶
藤井 宏史(香川大学 副学長・教育担当理事)
■概要説明
雜賀 真(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会CCO・総務局長)
■講演
「2020年大会に向けて」
秋山 エリカ(オリンピアン 新体操 ロサンゼルス大会・ソウル大会出場/東京女子体育大学教授)
■意見交換
  • ・コーディネーター
    真田 久(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与/筑波大学 教授)
  • ・アドバイザー
    秋山 エリカ(オリンピアン 新体操 ロサンゼルス大会・ソウル大会出場/東京女子体育大学教授)
    深澤 晶久(実践女子大学 大学教育研究センター特任教授)
    江上 いずみ(筑波大学・大学院 客員教授)
    雜賀 真(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会CCO・総務局長)

主催者挨拶 佐藤副事務総長

この地域巡回フォーラムは、昨年から一年間で全国9ブロックを回ってまいりました。2020年の大会に向けて自分たちに何ができるかということについて、学生の皆さん、自治体、教員の方々から様々な意見をいただきました。ちょうど一巡して、二巡目に入るわけですけれども、ここからはもう少し具体的なものを作り上げていくことになります。
この後、これまでにいただいた色々な意見、提案の中から具体化されたものをいくつかご紹介しますが、今日発表されないものの中にも、とても印象的な事例が一つありました。福岡大学の女子学生さんの事例ですが、彼女はスポーツを志して大学に入りましたが、怪我をして、断念せざるを得ない状況になってしまいました。ただ、スポーツの楽しさ、素晴らしさはとてもよくわかるので、周りの人に、スポーツの体験を通じて、その喜びを知ってもらいたい、という想いがありました。そこで、ぜひ自分の大学で、地域を巻き込んだ大運動会をやりたいと、こういう提案がありました。その後、彼女はそれを実現するために、仲間を35人集め、活動の具体を作って、今年の5月には大学から助成金をもらい、11月に実際に大学で地域の大運動会を開催することになったそうです。大変嬉しい話です。
オリンピックをきっかけに、そういった一つ一つの取組が全国で普及していけば、2020年の大会というのは、東京だけを中心にした大会ではないということが、実感としてわかっていただけるのだろうと思います。また、それが将来に残すとても大きなレガシーになっていくのだろうと思います。ぜひ大学と自治体が連携しまして、事前キャンプや文化プログラム、おもてなしといった活動に取り組んでいただければと思います。このフォーラムをきっかけに、より一層活動が活発になることを大いに期待しております。

フォーラムに参加する佐藤副事務総長

共催者挨拶 藤井副学長・教育担当理事

2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会も、早5年後の開催となりました。2年前のブエノスアイレスのプレゼンテーションや、開催地決定の歓喜の瞬間は、まだ記憶に新しいところでございます。私も、あの時の感動は今も覚えております。アスリートの皆さんはもちろんのこと、オリンピック、パラリンピック開催に関わっている方々も、大会に向けて日々努力、準備をされていることと思います。本学でも、オリンピックを目指して、更なる高みを目指して、日々練習に励んでいる学生や地域のスポーツ振興を支えるボランティア活動を行っている学生たちがおりますが、本日のフォーラムでは、地方の大学や行政におきまして、オリンピック・パラリンピック大会に向けて、何かできることはないか、開催地だけで盛り上がるのではなくて、地方においても盛り上げていくためには、どのようなことができるのか、といったことを皆さんと考えていければと思っております。香川大学でも、微力ながら、何か協力してできることはないかと思っている中、本日このようなフォーラムを開催するということができまして、嬉しく思っております。これを契機に、地方の大学として、活動を更に進めていければと考えております。スポーツ、特にオリンピック・パラリンピックなど、大きな舞台でのアスリートの皆さんの活躍というものは、私たちを感動させてくれます。そして、勇気を与えてくれます。平和と希望と未来を感じさせてくれます。東京も地方も、日本が一体となって、この大会を盛り上げ、世界中の人々から、2020年の東京大会は良かったなと言ってもらえるような大会になることを期待しております。

フォーラムに参加する藤井副学長・教育担当理事

講演

「2020年大会に向けて」秋山 エリカ(東京女子体育大学 教授)

オリンピック選手たちは、いきなり本拠地、開催地に向かうのではなく、事前キャンプといって、地方都市で時差調整や、その国の気候や食事に慣れるために、キャンプを組むことが多いです。開催地に行くと、世界中の人たちでごった返していますので、その国らしさというのは、実は開催地よりも事前キャンプ地の方が感じることができます。また、事前キャンプでは、現地の人との交流が多くあります。選手やコーチ、役員たちは、現地のボランティアの人たちの笑顔にすごく支えられており、本当にどこの国に行っても、ボランティアの人たちの元気の良さとか、そういったものが記憶に残っています。
海外に行くと、日本人はマナーがいいなと思うことがたくさんあります。海外の人には、みなさんが普通にやっていることがかなり好印象として残るのではないかなと思います。例えば、横入りをする人がいないとか、本当にそういう些細なレベルでも、日本の良さを海外で学ぶことが多くあります。また、日本人の持っている常識が、海外の常識とは違うということがあります。それは、日本人は日本人としてどうあるべきかを見直す面白いチャンスでもあります。私は日本人ですので、日本人の美的感覚というものを大事にしたいなと思います。
また、今大会はオリンピックとパラリンピックを同じように扱っていますが、障がいを持っている人たちのこと、障がいをどのように捉えるかということは、とても想像しにくいことだと思います。障がいというのは、環境によって変わります。例えば、今、大洪水が起きたとしたら、泳げる人は障がいを持たない人で、泳げない人は障がい者に変わってしまうかもしれない。そういう視点を持つと、パラリンピックというものが、違う感覚で見えるのかなと思います。

講演する秋山エリカ 東京女子体育大学教授

意見交換

■これまでの成果と今後の展開について

■これまでの成果と今後の展開について

  • 高知工科大学「龍河洞の外国人観光客向け案内アプリ開発」
    ちょうど1年前、高知工科大学で、この地域巡回フォーラムに参加させていただきました。その際に、私達が取り上げたキーワードは「ニアレストオリンピック」、「最寄り」です。なぜこの言葉が浮かんだかと言いますと、オリンピックのイメージとして、やっているのは東京だけ、といったように物理的な距離があるという意見が多くあったためです。そこで、私たちは情報的、工学的な視点で、「ニアレストオリンピック」に向けた取組を行いました。
    私たちが行ったことは、地域の課題解決です。ソフトウェア工学という授業の一環で、私たちは、実際に存在する企業・クライアントにサービスを導入、そして保守・運用をしました。サービスを提供しましたのは、日本三大鍾乳洞と言われる龍河洞です。年間に11万人ほどの観光客が訪れますが、最近、外国人観光客が増加しています。そこで問題として、外国人対応の設備が無い、外国語を話せる職員がいないという点がありました。そのため、外国人満足度の低下が起こり、そしてそこのスタッフのストレスが高まっていました。
    この課題に対して、私たちは「キャビゲーター」というアプリケーションを作成、導入しました。既に公開されていますので、すぐにダウンロードしていただくことが可能です。このアプリケーションは、鍾乳洞内の案内を現地において、ネイティブな音声でできるようになっています。また、パンフレットにない詳細なテキストや写真での案内も可能です。現在は、英語、中国語、台湾語、韓国語の4か国語に対応しています。このアプリケーションの導入後、アンケートや実際に観光客にインタビューした結果、満足度の向上とスタッフのストレスも解消されたということがわかりました。
    このキャビゲーターは、知識のない方でも、音声と写真そしてテキストをすべて差し替えることが可能です。そのため、オリンピックに向けて、各地や東京にこういったアプリケーションを展開していくことができるのはないかなと考えています。
    私たちは、地方と東京は、まだ距離があるものだろうと考えます。そこで、2020年に向けて、まず地域の課題解決をこのように学生が行っていくことで、より東京オリンピックが身近なもの、最寄りになるようにしていきたいと思っています。
成果を発表する生徒

アドバイザー 実践女子大学 深澤教授より

全国にこうした素晴らしい観光地、遺跡等がいっぱいありますので、ぜひ他の大学にも水平展開できるような試みをお願いしたいなと思います。

参加者と対話する深澤教授

アドバイザー 筑波大学 江上講師より

普段、私はおもてなし学というものを教えていますが、おもてなしというのは、人に喜んでもらいたいなと思うことをして差し上げることだと常日頃、学生に教えています。お二人の、外国人観光客に喜んでもらいたいなという思い、それからスタッフの方々に喜んでもらいたいなという思いが、その気持ちがこういったものを作り上げたのだと、すごく感心いたしております。

参加者と対話する深澤教授
  • 実践女子大学「授業におけるオリンピック・パラリンピック教育の展開」
    この授業は、専門的な科目ではなく、「国際理解とキャリア形成」という、いわゆる一般教養といわれる科目になります。昨年から始まりました。前半は、机上の世界一周旅行ということで、各地の政治・経済あるいは文化を学ぶという授業、そして後半にオリンピックに関することを入れている、という構成です。
    昨年は、オリンピック・パラリンピックに対して学生が何ができるのか、実践女子大学の学生が何ができるのかということを提案しました。今年は、あまり取り上げられない競技の1つであるトランポリンを取り上げ、どのようにして盛り上げるかをテーマとしました。石川県の金沢学院大学の学生さんにも加わっていただき、複数のキャンパスを結ぶ科目になりました。また、学生が考える過程の中で、非常にトランポリンが盛んと言われている東京の足立区、行政の方にもご協力をいただきました。
    また、授業の一環で、首都大学東京と東京藝術大学で開催された地域巡回フォーラムにも学生を連れていきました。教室、大学を飛び出してみようということで参加した結果、いくつかの学びがありました。一つは、こういった会場の中で手を挙げて発言することは非常に難しいことですが、学生たちは色々な自分の意見を言ってくれました。そして、交流会では、学生同士あるいは自治体の方、組織委員会の方、色々な方との交流ができて、学生の視野が広がりました。
    この大学連携については、各大学と組織委員会とのつながりもありますが、これから大事なのは大学同士が横につながっていくことだと思っています。この授業は、誰でも、どこでも参加できます。今年は、実践女子大学から金沢に飛び出しました。ぜひ来年は、ここにいらっしゃる中国・四国地方の学生さんと一緒に、このような授業ができたらいいなと思います。大学同士が横につながることで、東京オリンピック・パラリンピックを大学生が盛り上げていきたいなと思います。

アドバイザー 東京女子体育大学 秋山教授より

トランポリンは、実はすべての競技の選手の体幹を作るために必要なスポーツだったりします。また、例えば、お年寄りがトランポリンをやると脳が活性化するなど、色々な効果があります。トランポリン一つとっても、アスリートだけではなく、子どもからお年寄りまで、すべてがつながるという幅があるのではないかなと考えさせられました。
全く違うものからオリンピックにつながるということはよくあります。何か突拍子もないところからオリンピックとのつながりを考えると、そこから何か生まれる、全く違うものをつなげると面白いものができる、そういうこともオリンピックの良さであり、学生たちが違う世界や世界観を持つ、それから開発する、創造する、そういうチャンスがオリンピックにはある気がします。このフォーラムに来た、それだけでも世界が違って見えるし、オリンピックが違って見えるはずです。2020年というのは、学生もそうですけれども、日本人が視点を変えるチャンスなのではないかなと感じました。

  • ■2020年大会に向けてこれから自分たちが取り組もうと考えている活動について

  • ・私は、柔道競技の選手として活動する一方、日本体育協会が実施しているスポーツ少年団で、地元のボランティア活動の一環として子どもたちに柔道の指導や、未来の指導者の育成を行っています。東京オリンピックが開催されるにあたって、私ができることとして、子どもたちがオリンピックに実際に参加できるように技術的な指導を行うということもありますが、ボランティアなど様々な形で地域の子どもたちが関わっていけるような場を提供できないかと考えています。大学生はフットワークが軽く、技術も持っていますので、すごく役に立つかと思いますが、子どもたちも元気があって、海外の方を出迎える時など、言葉の壁はあったとしても、元気を伝えることで、喜んでもらえるのではないかと思っています。今後、小さい子どもだからできること、お年寄りだからできること、大学生だからできることを考えていければいいなと思います。(香川大学・学生)

アドバイザー 実践女子大学 深澤教授より

とにかくアクションを起こすことで、ご自身の探していること、活動と出会うことがきっとあると思います。お話があれば、私どもはいつでも協力いたします。渋谷というまさに東京のど真ん中にある大学として、我々が果たす役割というのは、自分たちのこと、東京のことだけではなくて、このように全国の大学の皆さんが何かしたいと言った時に、情報なりを提供する、交流することかなと学生とも話していますので、学生同士のつながりができたら広がるかなと思います。

  • ・学生がボランティアに行くと、最初は面倒くさがっていますが、大体、笑顔で帰ってきます。しかし、それが契機になって、東京オリンピックのボランティアに参加したいと思っても、彼らは、5年後は学生ではありません。ロンドンオリンピックの時は、最低10日間参加できるボランティアを募集して、事前に3日間トレーニングをするという採用条件だったと聞いています。その場合、企業に勤めていると、なかなか10日間もというのは厳しいかなと思います。そのような状況で、せっかく彼らに芽生えたボランティア精神が、今後も続いていくかという悩みがあります。(環太平洋大学・教員)
意見交換の様子

コーディネーター 筑波大学 真田教授より

この2020年の東京オリンピック・パラリンピックを通して、社会そのものも大きく変えていく、変えていかなければならない点が多々あると思います。そのうちの一つが、まさにボランティアについての取組だろうと思います。オリンピック・パラリンピックを通して、色々な人が積極的にボランティアに関われるような仕組みを考えていくことが大事です。特に、大企業では取り入れていますが、ボランティア休暇などのシステムを色々なレベルの民間企業にも取り入れてもらう、認めてもらう、そういった社会的な雰囲気を作り出していくということも、日本におけるオリンピックムーブメントの重要な点ではないかなと考えています。

アドバイザー 組織委員会 雜賀局長より

1ヶ月に1回ボランティアをやっている人の割合ということでボランティア実施率というものがありますが、東京では約25%です。それを2020年までに40%に上げたいという計画があります。
ボランティアは幅広くて、福祉関係のボランティアもあれば、環境関係のボランティアもあり、そういったものも含めて、社会がどのようにボランティアを育てていくのか、というムーブメントをいかに作り上げていくかが大事なのではないかと思います。その中で、ボランティアを育てていくことが企業の使命だという意識を作り上げていく必要があるのではないかと思います。
外資系の企業はボランティアを重視していて、社長も含めて、社員が無償で労力を提供する、そういったことを進めている企業がいっぱいあります。日本の企業も、オリンピックを契機として、そういった意識になればいいのかなと思います。そのためには、先ほど申し上げたとおり、ムーブメントをいかに作り上げていくかが大事だと思いますので、皆さんも声を上げていくということがまず大事なのではないかと思います。

講演する雜賀局長
  • ・2020年までの5年という時間、この時間が地方と東京との熱の差を生んでいるのかなと思っています。地方自治体は、東京と違って、なかなか乗り切れていない状況です。5年というのは、かなり先ですので、1年ごとに関わっていくような形を取らなければいけないと考えています。具体的には、バラ祭りという福山の伝統的な祭りがありますが、来年そこで柔道大会が行われるので、コロンビアのチームを誘致し、福山大学の学生との交流試合を通じて、2020年東京オリンピックを近くに感じることができるのではないかと考えています。(福山大学・教員)
  • ・広島県では、合宿誘致に関して、県内の市町に声をかけて、希望を募っているという状況です。先ほどの、福山大学さんが計画していることについては、県が直接ということはなかなか難しくて、地元あっての話なので、まずは地元の自治体を口説くところから始めていただく必要があろうかと思います。もちろん県とも連携していただきつつ、進めていただければと思います。(広島県・職員)
  • ・高知県としましても、事前合宿を積極的に誘致したいと考えていますが、なかなか市町村との連携が取りづらいところがあります。そこで、我々が担当レベルで考えていることとして、市町村にいる体育指導員さんや地域スポーツクラブの方にダイレクトにアプローチすることにより、まずはその方たちの熱を上げていく、そうすることで、地元の自治体も動きやすくなるのではないかと思っています。(高知県・職員)
  • ・徳島大学でスポーツボランティアサークルの代表をしています。今回、東京オリンピックを契機に、ボランティアの機運が高まるとは思うのですが、その機運を一過性のもので終わらせるのではなく、続けていくことが大事だと思います。2019年にラグビーW杯がありますし、2021年には関西ワールドマスターズという生涯スポーツの世界大会が行われますので、そういったところでもボランティアを育てていくという展開が必要だと思います。(徳島大学・学生)
アドバイザー 組織委員会 雜賀局長より
ワールドマスターズとは、今まだ直接、具体的な話はしておりませんけれども、ボランティアについて、我々は来年の秋頃を目指して、東京大会の基本的な戦略を作っていますので、その中で色々と話をさせていただくことが出てくるかと思います。ラグビーW杯については、13会場に分散しての開催になりますので、それぞれの自治体でボランティアを育成することになるのではないかと思います。ただ、スポーツに関係するボランティア、観客に対するボランティアという点では、内容について共通する部分がありますし、今後19、20、21年と大きな大会が続きますので、連携を取っていきたいと考えています。
  • ・私は、香川大学生がラジオ番組を制作しているチームに入っています。その中で、来年、瀬戸内国際芸術祭が開催されるので、オリンピックをスポーツだけではなくて、文化の面でも盛り上げていきたいなと思っています。日本の文化の素晴らしさを外国人観光客の方に伝えていければと思います。また、私がこのフォーラムに参加しようかと思った理由として、日本には47都道府県あるので、それぞれの地域の特性、良さを活かして、違う県の大学生同士が連携をして、何か一つのことができれば面白いのではないかと思いました。(香川大学・学生)
アドバイザー 筑波大学 江上講師より
日本の文化をぜひ外国人に伝えたいと思う方がたくさんいらっしゃると思うのですけれども、では実際に日本の人が日本のことをどれくらいアピールできるのかというと、難しいことがあります。昨年、ソチのオリンピック・パラリンピックに行きまして、一校一国運動で日本を担当している学校に行ってきました。その学校の校長先生に、生徒は一所懸命に日本語を勉強して「さくらさくら」の歌を覚えたので、ぜひ流暢な日本語で「さくらさくら」を歌って欲しいと言われたのですが、途中までしか歌詞が出てきませんでした。この中で、「さくらさくら」をフルコーラス歌える方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。日本人が日本のことをきちんと伝えられない、そういったことが多々あるかと思いますので、ぜひ香川の良さ、広島の良さ、高知の良さというものを外国人にきちんと伝えられるような日本人になっていただきたいと思います。
アドバイザー 東京女子体育大学 秋山教授より
私も外国人に「なぜ日本人は正座をするのか」とか、「なぜ侍はちょんまげを結っているのか」など、たくさん聞かれていつも困っています。本当に私は日本人でありながら、日本を知らないなって思っていますので、オリンピックまで、もう少し日本人が日本を知るということをやらなくてはと思っています。
また、今回のフォーラムに参加させていただいて、大学の果たす役割は物凄く大きいなということを感じました。例えば、大学そのものがナショナルトレーニングセンターに近い機能を持てないかということも考えています。すぐにトレセンを作れと言われても厳しいのですけれども、おそらくほとんどの大学には体育館がありますし、トレーニングできる場所もあります。そして大学ですから、心理の先生がいたり、地域にもドクターがいたり、スポーツに長けた人たちがいます。そういう身近な人たちを巻き込んで、大学そのものをトレセン化していく、そういうことも考えなくてはならないのではないでしょうか。もしそれができれば、それは大学だけに留まらず、地域の人たち、子どもたち、お年寄り全部と連携しながら進んでいき、日本の大学というものが、かなり良くなっていくのではないかと感じました。
また、日本人はまだボランティアというものに対して、やや薄いイメージ、遠い感じを持っているのですけれども、やはりオリンピックを機にボランティアを体験してみることが大切だと思います。先ほど言っていたように、そうすると笑顔で帰ってくる。おそらく、みんな幸せになりたいし、笑顔になりたいと思っていますので、本当は誰かのため、何かのために行くのですけれども、ボランティアを体験して、実は自分が幸せになるという経験をすることで、ボランティアが2020年に留まらず、次の年、未来、子どもたちに広がりを持ち始めるのではないかと思います。人をもてなすこと、そのことが自分の喜びであること、日本そのものを学ぶということ、大学が地域ともっと連携していくこと、オリンピックに留まらず、そういったことに関われる大きなチャンスが来るのだと感じました。

まとめ 筑波大学 真田教授

大学の可能性は非常に大きいなということを感じました。ロンドン大会でも大学連携を実施しており、全国の大学の8割くらいが参加していたそうですが、内容としては、施設の提供や、警備員などへの学生の派遣が主だったそうです。日本では、このように自分たちの大学でどういうことができるのか、オリンピック教育がどのようにできるのか、あるいは学生同士が連携して何が生み出せるのか、と考えていますが、ロンドンではそこまでは至ってなかったようです。そういう意味で、781校が連携したら色々なことができるなということを今日、垣間見させていただきました。
また、やはりボランティアについては、ただ人を出すだけではなくて、ボランティア精神を社会の中にきちんと定着させていく、これも大学の使命なのだということを実感しました。おもてなしもボランティア精神に入りますし、嘉納治五郎先生が最後に説きました「自他共栄」、他者に尽くしてこそ、自らも発展する、他者は他人であり、社会であり、国家、世界という可能性すら言っているわけですから、そういった思想をきちんと踏まえて、ボランティアを位置付けていくことは、非常に重要であると感じました。

まとめをする筑波大学 真田教授