地域巡回フォーラム 北信越ブロック大会 in 石川(金沢大学)

概要

日時:平成27年6月19日(金) 17時~19時
会場:金沢大学サテライトキャンパス 3階 集会室
主催:公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
共催:国立大学法人 金沢大学
参加者数:165名

参加大学(22大学)

■新潟県
上越教育大学、新潟大学、長岡技術科学大学、新潟薬科大学
■富山県
富山大学
■石川県
金沢大学、北陸先端科学技術大学院大学、金沢美術工芸大学、金沢医科大学、金沢学院大学、金沢工業大学、金沢星稜大学、金城大学、北陸大学、金城大学短期大学部、小松短期大学
■福井県
福井大学
■長野県
信州大学
■茨城県
筑波大学
■東京都
帝京平成大学
■京都府
京都工芸繊維大学
■大阪府
大阪経済大学

参加自治体・行政

■新潟県
新潟県
■富山県
富山県
■石川県
石川県、白山市
■福井県
福井県

学生運営ボランティア

金沢大学、北陸先端科学技術大学院大学、北陸大学、金沢学院大学

フォーラムの様子 フォーラムの様子 フォーラムの様子

プログラム

■主催者挨拶
布村 幸彦(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会副事務総長)
■共催者挨拶
山崎 光悦(金沢大学長)
■概要説明
雜賀 真(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会CCO・総務局長)
■意見交換
  • ・テーマ(1) 2020年大会に向け大学ができること
  • ・テーマ(2) 観光・地域の魅力発信
  • ・コーディネーター
    真田 久(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与/筑波大学教授)
  • ・アドバイザー
    和田 浩一(フェリス女学院大学教授)
    大森 重宣(オリンピアン 陸上 ロサンゼルス大会出場/金沢星稜大学教授)
    嶋本 麻美(オリンピアン ウエイトリフティング ロンドン大会出場/金沢学院大学職員)
    千葉 千枝子(観光ジャーナリスト/中央大学客員講師)
    雜賀 真(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会CCO・総務局長)

主催者挨拶 布村副事務総長

2020年のオリンピック・パラリンピックに是非、大学の力を活用させていただきたいという趣旨で全国1,100を超える大学の中で776大学と、連携協定を結ばせていただきました。大学の方々、特に2020年を主役で迎える学生の方々に、選手としてご活躍いただきたいということはありますが、それはなかなか大きなハードルかもしれません。しかし、ボランティアという場もあります。ボランティアも通訳のみならず、パラリンピアンの介助、セキュリティ・警備、と大会運営上、様々な分野で、大きな課題があります。学生の方々にお力を貸していただきたいし、東京では2回目のオリンピック・パラリンピックになりますので2020年どんな大会にして、日本の良さを世界の方々にお伝えしていけばいいのか、そのような知恵をお借りしたいと思います。そして、お互いに良い知恵を出し合う場として、このフォーラムを設けさせていただいているところでございます。限られた時間にはなりますが、パネラーの方々のご発言を受けて、積極的なご発言でご参加いただければ有難いと思います。特に若い世代の学生の方々が、2020年、またその後の主役であります。今日もその意気込みで主体的なご参加をお願い申し上げたいと思います。

主催者挨拶をする布村副事務総長

共催者挨拶 山崎学長

2020年、私自身もまだ随分先のことだと、ついこの間まで思っていましたが、こうやって各地でやられた地域巡回フォーラムの写真を見せていただきます、いよいよ近づいてきたと、そのように感じております。誰でも選手として参加したてみたいのは山々ではございますが、それは高いハードルがあります。そうは言いながら、大学がこのように協定を結ばせていただいたのは、いろいろな形で、皆が、日本全国一丸となって、この2020年のオリンピック・パラリンピックを盛り上げようということなのだと思います。そして本日のフォーラムも、準備状況を教えていただきながら、意見を交し合う場にしていきたいと思っております。特に今日は、遠くからも来て下さっているということで、是非、金沢を楽しんでいただきたいと思いますし、活躍の主役は皆さんでございます。多くの出番があるはずです。この大会を良い機会にして、グローバルな自分を磨くチャンスにしていただけたらと思います。そのために、本日は、ディスカッションや有意義な討論がなされたら、幸いであると思います。

共催者挨拶をする山崎学長

意見交換

■「2020年大会に向け大学ができること」
  • ・学生の力で、2020年の大会を盛り上げることができたらと思っています。金沢学院大学スポーツ健康学部では、スポーツトレーナーや運動指導士等の技術や知識を学ぶことができます。そのような点でも、大会のお役に立てればと思います。一方で、海外から、たくさんのお客様が来られます。お客様に対するおもてなしについては、言語はもちろんですが、文化や、様々な問題があると思います。言語以外にも、多くの国の学習をしていくことができたらと思います。(金沢学院大学・学生)
  • ・北陸新幹線は、現在、移動手段として使われていますが、これをオリンピックの情報媒体として使用できるのではないでしょうか。例えば、オリンピック車両を作って、オリンピック選手にアナウンスをしてもらう、オリンピックの広告を導入する、などのサービスを大学生の私たちが企画から実行までやっていければ良いのではないでしょうか。これは、大学生のオリンピック教育にもなり、他大学とのコミュニケーションにもつながると思います。(富山大学・学生)
  • ・スポーツ史を研究しています。2020年を機に、クーベルタンが何を考え、近代オリンピックを作ってきたのかを教えたいと考えています。例えば、私たちは必ずしもクーベルタンの著作物を全部読んでおりません。難しいフランス語ですから、なかなか読めません。フランス語関係者を総動員して、日本語版を出してもらいたい、そして、全国の大学関係者、学生も含め、それ読もうというムーブメントが必要なのではないかと思います。歴史学の力を2020年にもっと反映させていきたいと思っています。(金沢星稜大学・教員)
  • ・スポーツの交流を通じて平和に貢献するという点においては、オリンピック、パラリンピックの競技だけでなく、大衆スポーツの普及がもたらすものも大きいと考えています。スポーツとは何かと考え、また、日本人が生み出すスポーツがあってもいい、そんなことを教えるのも大事ではないかと思います。(金沢大学・教員)

アドバイザー オリンピアン 嶋本麻美さんより

金沢学院大学からはロンドンオリンピック大会に5人が出場しました。オリンピアンの指導者の方も沢山います。そんな大学の特色を生かして、地域や自治体などと連帯する形で、オリンピックをテーマにしたシンポジウムやオリンピアンによる講演会、子どもたちを対象にしたスポーツ教室など、競技の振興とオリンピック・パラリンピックを盛り上げるための積極的な活動に取り組んでいます。

意見交換の様子
■「観光・地域の魅力発信」
  • ・行政の方には、是非、大学を活用してほしいと思います。必ず大学と連携する、と組織委員会から言っていただけると、良いかと思います。学生も参加しやすくなると思います。初めから、大学と地域のネットワークありきで考えていただくと、より近くなっていくのかなと思います。(大阪経済大学・教員)

アドバイザー オリンピアン 大森重宣さんより

古代オリンピックが祭りであるのならば、今のオリンピックも、ある種の世界最大の祭りであることは間違いないと思います。私は、能登地方の七尾で宮司をしておりますが、祭りは、いわゆる地方創生であり、エスニックスポーツです。重たいものを皆で担ぎ出します。黒人は骨盤が前傾していて足が速いです。白人は肩が成長しているので投げるのが得意です。日本人は腰の文化なので、担いだり曳くのが得意なのです。それをお見せしたい、それが文化の発信にもなると思います。私は、ロサンゼルスのオリンピックに出ましたが、大会が終わった時、カリフォルニアの空の青さが悲しかったのです。不思議な話ですが、オリンピックが終わるということに気づかなかったのです。先ほど申しました、祭りですが、皆大きな山車を曳きまわします。そして、祭りが終わった次の日、何が起こっているのかと言うと、例えば、子どもたちがその10分の1の大きさの山車の模型を使って稽古をしているのです。それは祭りが終わった後に、何かしらのものが残ったということになります。地域の人たちが、それぞれに影響を受けて、目には見えませんが、楽しんで下さるということが、最終的に私たちの文化になるのではないかと思います。そのような雰囲気が、地方にまで伝わってくるようなことがあると、オリンピックは皆のものとなり、私がロサンゼルスで体験したような虚しい気持ちで終わらないような気がします。

意見交換の様子
  • ・金沢の全世界における認知度は高くありません。しかし、侍は知っているか、忍者は知っているか、と聞けば100%知っています。金沢は大変歴史的な建物もあります。出来るだけ市民全体が、もう一度自分たちの街の魅力を考え、それをいかに外国の方々にお伝えできるかと考える良い機会となれば、この東京オリンピックが成功するのではないかと思います。(北陸大学・教員)
  • ・本学は単科大学で、旅行・観光業界の専門的な人材を育成しています。学生は海外に興味を持っており、海外交流事業や、語学力の強化等も行っておりますが、グローバルに活躍していく上では、地域の文化や自国の文化を語れるような人材が必要だと思います。単なる語学だけではなく、あせて文化の理解があってこそ、世界へ出ていけるのだと思います。本学でも、今後、地元の自治体と連携し、学生が文化を理解していけるよう取り組んでいきたいと思っております。(小松短期大学・教員)
  • ・せっかく、オリンピックを日本でやるのだから、地方は地方で魅力を伝えたい気持ちがあると思います。しかし、そもそも自分が地域のことをどれくらい理解しているのかと考えると、上手くまとまっていないということが、僕だけではなく、多くの人にあると思います。行政や自治体の人たちが、魅力を発信するために頑張ろうとしても、地域の人々がこのような感じだと、うまく発信できないと思います。これをきっかけに、自分たちの地域の魅力を、これから、開催に向けてもう一度見つめ直すことが必要なのではないかと思いました。(富山大学・学生)
  • ・3月14日に北陸新幹線が開業し、大会を契機とした石川県の魅力発信に努めていくことが大事だろうと県は認識しております。具体的な取り組みとして、一点目は、選手強化と事前合宿誘致です。海外のオリンピアンが本県に来ていただくことで、選手との触れ合いを通じた地域のスポーツ振興に寄与する視点があります。二点目に、魅力発信国際交流、観光PRです。そして三点目が関連製品の活用です。石川県には、立派な伝統工芸品があります。このようなものを大会に是非活用していただき、石川県の魅力を発信していこうと検討を進めています。(石川県・職員)

アドバイザー 観光ジャーナリスト 千葉千枝子さんより

今年観光で一番注目されている、この金沢に呼んでいただき、とてもうれしく思っております。ちょうど北陸新幹線開業の一年前、当時、皆さんが非常に不安に思われていました。金沢が、将来通過駅になってしまうのではないか、宿泊が減るのではないか、とご意見をいただいたのを覚えています。本日のお話の中では、伝統的産業の話が多く出ていますが、最新鋭、最先端の技術もこちらにはたくさんあるのではないでしょうか。訪日外国人の方たちは、日本の最先端技術や、スーパーハイテクノロジーと言ったものを好まれる傾向があります。是非そのような分野でも学生さんのアイデアが出てくればいいと思います。

意見交換の様子
  • ・当大学ではスポーツというよりも、学生の興味はデザインや施設にあります。大学に美術工芸資料館があり、学生たちは博物館学という授業で、過去のオリンピックのポスター展をやるといいました。このポスターを書いた人はどのような人なのか、当時の社会的背景、現在はCGを使ってポスターが作られるように変わってきている等、学生自身が驚きをもって感じることができています。それぞれの専門や分野で、できることをやっていき、それを並べてみると日本はいろいろなことができるのだ、日本にはこんな歴史があってそれを踏まえているのだ、と、あとから、そのような感動が起こるのではないかなと思います。(京都工芸繊維大学・教員)

アドバイザー フェリス女学院大学 和田教授より

オリンピックの成功とは何かという問いが出てきました。そもそもスポーツとは何かという問いかけがありました。僕自身、何のための観光振興なのかと考えました。実は、考えるということを、東京から少し離れた地方だからこそ、ゆっくり考えてもいいのではないかと思います。北陸のことは、外国の方から見れば何も知られていません。オリンピックに204の国と地域から選手が来ますが、ほとんど知らないのではないでしょうか。逆に知られていない状況を、利用するわけではないですが、例えば、知らない境遇にある地方が一つ一つ知られていない国と地域について考え、調べ、その国と地域にアクションを起こす、これは東京ではできないことではないかと思います。また、大島鎌吉という32年のロサンゼルス大会の三段跳びで3位になった方をご紹介します。この人は、実は金沢出身で、クーベルタンが書いた著書「オリンピックの回想」を翻訳しています。クーベルタンの文献を日本語で読める本はこれしかありません。このように、例えば、福井県には福井県、富山県には富山県、新潟県には新潟県に、このようなオリンピックムーブメントに深く関わっていた人物なり、取組なりを掘り起こしてはどうかと思います。地方の大学の先生方や学生の力が出てくると思います。

意見交換の様子
  • ・工学系単科大学という点で、オリンピックにどのような形で貢献できるのか、今まさに模索中です。先ほど、最先端の技術を活用してというお話がありましたが、技術科学は我々の専門分野であり、その点で貢献できるのかなと感じたところです。また、我々の大学は、比較的、留学生が多いです。その点で国際的な貢献ができるのではないかと思いました。例えば、この4月から学生食堂でベジタリアンのための特別メニューを用意しています。そのような面でも研究できるのかなと、引き続き検討していきたいと思いました。(長岡技術科学大学・教員)
  • ・今日は、オリンピックの話が非常に多いですが、パラリンピックについてもオリンピックと同じくらいの議論ができるといいなと思います。パラリンピックに2大会行かせていただきました。2004年アテネは、本当に観客が少なくてさびしい思いをしました。2012年のロンドンはものすごい盛り上がりでした。ロンドンはパラリンピック発祥の地であり、その効果があったのかと思います。日本も、2020年のパラリンピックがあるこの時が、転機を迎えられる時ではないかと思います。少なくとも、学生にオリンピックだけでなく、パラリンピックにも興味を持ってもらい、参加することが障がい者福祉の自活活動になると思います。(金城大学・教員)

まとめ 筑波大学 真田教授

北信越、地方の視点から発信していくべきことがあるとご意見がありました。非常に大事なことだと思います。そして、日本におけるクーベルタンについての原点が金沢にありました。大島鎌吉です。実は私も、大島鎌吉の翻訳を学生時代に読んで勉強したことを良く覚えています。クーベルタンの日本語版著作物が少ないので、何としてもやってもらいたいというご意見がありました。実は、京都のフォーラムでも、このような意見が出ており、しっかり考えていきたいと思います。クーベルタンが亡くなる前の最後に残した一文は、東京大会への期待でした。これまでの欧米中心のオリンピックの理念が、アジアの文化・芸術に触れて新しく誕生するのではないかという期待を込めた一文を書き、その数週間後に亡くなりました。2020年大会において、日本から、どのようなオリンピックムーブメントを作り、発信していけるかが非常に重要なのだと感じるわけです。私どもがIOCに行き、日本の大学がこんなに連携をしていますと伝えたところ、大学連携をやるならば、オリンピックは本当に必要なのかどうか、それを問い正してもらいたいと言われ、私どもは非常にびっくりしました。それだけ、大学の持つ力は、大きいと認識されているのです。

まとめをする筑波大学 真田教授