馬術

馬術

馬術のピクトグラム

オリンピック競技

馬術

愛馬とともに駆け、跳躍する。人馬一体の華麗な演技に注目。

競技概要

馬術は、動物を扱う唯一のオリンピック競技であり、男女の区別なく同じ条件で実施されることが特徴だ。人馬ペアで競技を行うため、選手と同様に騎乗馬の資質も問われる。

オリンピックでは、コース上に設置された大きな障害物を飛び越える際のミスの少なさと走行時間で競う「障害馬術」、ステップなどの演技の正確さと美しさを採点する「馬場馬術」、障害と馬場の2つにダイナミックなクロスカントリー走行を加えた「総合馬術」の3種目が行われる。個々の人馬のパフォーマンスは個人成績としてカウントされ、各国チーム3人馬の成績を合計したものが団体成績となる。 馬術競技はパリ1900大会で初めて実施され、ヘルシンキ1952大会で軍人以外の男子および女子の参加が認められるまでは、男子の軍人のみが参加する競技だった。

選手は規定によって燕尾服(えんびふく)や乗馬服、シルクハットなどの帽子を着用し、優雅さが漂う独特の雰囲気のもとで競技が行われる。

種目

馬場馬術

  • 団体
  • 個人

総合馬術

  • 団体
  • 個人

障害馬術

  • 団体
  • 個人

ESSENCE OF THE SPORT/競技の魅力、見どころを紹介!

選手と馬のコンビネーションが見どころ 飛越の迫力や華麗な演技に注目

馬術の選手

馬場・総合・障害3つの種目に共通する見どころは、拳(手綱)・脚・体重の移動などにより馬へ細かい指示を出す選手の技術と、それに応える馬の能力だ。選手と馬の信頼関係によるコンビネーションが見事な飛越や演技を生み、迫力と華麗さに目を見張る。

馬場馬術
馬場馬術は、20メートル×60メートルの長方形のアリーナ内で、馬の演技の正確さや美しさを競う規定演技と、必須の要素で構成し、音楽をつけて行う自由演技がある。
なんといっても、よく調教された馬の、まるで自ら楽しみながらダンスを踊っているかのような躍動感が見ものだ。選手の指示に従って、リズムよくしなやかにステップを踏んだり、図形を描いたりする見事な演技と芸術性に目を見張る。選手はなるべく小さく馬に合図を送り、馬はそれに応えて正確かつ華麗な動きをする。文字どおり人馬一体の妙技に注目しよう。

総合馬術
総合馬術は、馬場馬術と障害馬術にクロスカントリーを加えた3種目を同じ人馬のコンビで行い、合計減点の少なさを競う複合競技。馬場馬術、クロスカントリー、障害馬術の順に行われる。人馬ともに総合的な能力やテクニックが求められ、さらに体力や精神力が必要だ。3日間かけて行われるため、馬のコンディションを良い状態に保つようケアすることが重要となる。
メインとなるクロスカントリーでは、竹柵、生垣、水濠など40を超える障害物が起伏に富んだコースに設置される。その6キロメートル近いハードなコースを10分ほどで駆け抜ける。スピードは時速30キロメートル以上になり、迫力満点だ。最短距離を攻めればタイムは早くなるが失敗するリスクが高く、安全策をとればその分タイムがかかる。選手がどのようなコース取りをするのかも見どころだ。

障害馬術
障害馬術では、競技アリーナに設置されたさまざまな形状の障害物を、決められた順番どおりに飛越し、走行する。障害物の落下や、馬が止まったり横に逃げたりする不従順などのミスなく、規定タイム内にゴールすることが求められる。
障害物の大きさは、最大で高さ160センチメートル、奥行き200センチメートルのものもあり、タイミングが乱れるとうまく飛び越えることができない。選手の役割は、ぴったりの踏み切り位置に馬を誘導すること。選手と馬の息の合ったジャンプが、最大の見どころだ。

OUTLOOK FOR THE TOKYO 2020 GAMES/2020年に向けた競技の展望

世界一の馬術大国はドイツ 人馬とも層の厚い強豪国に注目

馬術の選手

馬術の発展には、自然環境と設備が重要となるため、古くから馬術が親しまれてきた歴史のある国で盛んに行われていて、競技人口も多い。ドイツなどの強豪国では、多くの人が子どもの頃から馬に親しみ、競技に出場して技術を磨いている。選手と競技馬の層が厚く、また馬術用馬の生産も国家的に行われており、馬術が一つの文化として国全体に根づいている。

オリンピックで行われる3種目について世界の情勢を見ると、馬場馬術では長年ドイツが圧倒的な強さを誇り、特に団体で金メダルをほぼ独占してきたが、近年ではオランダも力をつけてきており、ドイツを脅かす存在になっている。この2か国に加えて、イギリスも好成績を出している。

総合馬術は、ドイツ、イギリスなどのヨーロッパ勢に加えて、オーストラリアやニュージーランドも強さを発揮している。

障害馬術では特に突出して秀でた国はなく、ドイツ、オランダ、アメリカ、カナダ、スウェーデンなどが常に上位を争っている。

世界全体を見ると、やはり馬術大国ドイツが強い。オリンピックの総合馬術個人では、ミヒャエル・ユング(ドイツ)がロンドン2012大会とリオデジャネイロ2016大会を連覇している。通算26個と最も多くの金メダルを獲得しているのもドイツで、次いでスウェーデン、フランス、イギリスと続く。

東京2020大会でも、この勢力図は簡単には崩れないと思われるが、どんな人馬が優れたパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。

<日本>
オリンピックでは、ロサンゼルス1932大会の大賞典障害飛越個人で、西竹一がウラヌスと獲得した金メダルが、日本人選手が獲得した唯一のメダルである。また、東京1964大会の障害馬術に23歳で出場し、ロンドン2012大会では71歳で馬場馬術の代表となった法華津寛が、愛馬ウイスパーとともに注目を集めた。
リオデジャネイロ2016大会には、10名の選手で臨んだ日本の馬術。近年、欧米からトレーナーを招いて人馬の技術向上に努め、また多くの日本人選手がヨーロッパを拠点に活動し、国際大会に参加するようになったことで技術レベルは着実に向上してきている。

TRIVIA/知られざる競技のヒミツ

Question

オリンピックの馬術に出場する馬が、他国から開催地に入国する際には、人間と同じようにある物が必要となる。それは何?

Answer

A:パスポート。
馬の名前、所有者名、住所、馬の特徴(毛色や白斑など)、ワクチン接種歴や薬物検査の記録、馬に埋め込まれているマイクロチップナンバーなどが、馬のパスポートには詳しく記入されている。馬の個体識別と健康・衛生状態の確認に用いられ、パスポートを携行しない、あるいはパスポートの記載が不正確だった場合は、競技に出場することができないのだ。

競技会場

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パラリンピック競技一覧