若者よ「挑戦、挑戦、挑戦あるのみ」 石川県ピックアップ聖火ランナー 北芳健さん

北芳健さん
北芳健さん

北芳健さん

北さんは、約350年前から今に伝わる人形浄瑠璃「深瀬(ふかぜ)のでくまわし」の保存活動に取り組んでいます。でくまわしとは木の棒を十字に組み、その上にかしらを付けて着物を着せた目も口も手足も動かない人形です。それを上下左右に回しながら、喜怒哀楽を表現します。

元々は旧尾口村の深瀬地区(現在はダムで水没)に伝わる伝統芸能で、現在は白山市深瀬新町で保存・公演を行っています。しかし保存に関わる人は少なく、しかも全員が高齢者。あと数年で公演できなくなるのではと危惧していると言います。

この伝統芸能を次世代に伝えるため、人形の演技指導や登場順などを記載した資料を作成しました。一方で、本当に演技を教えるには直接、手取り足取り教えたほうが正確に伝わると考えています。「若者よ、私と一緒に次の世代に伝え、そして私が年老いて動けなくなったときにでくまわしを見せてください」。

そんな人々が現れることを北さんは強く願っています。

※聖火ランナー応募時(2019年夏頃)にご提出いただいた志望理由をもとに構成したものです

でくまわしを始めたきっかけはなんですか?

小さい時から、でくまわしを見ていてすごくかっこいいと思っていました。そして、自分もいつかはまわしてみたいとの思いで始めました。しかし、自分のイメージしたでくまわしがなかなかできなくて大変でした。

人形の目や口、手足を動かせない中で喜怒哀楽を表すコツはありますか?

木偶(でく)は左右、上下に振りながら足でリズムをとりながら回すのですが、木偶の振りの強弱、足べチ(足踏み)の強弱で喜怒哀楽を表現します。特に大事なのはその物語の役を理解し、役になりきることです。

どんな若者に伝承してほしいですか?

情熱のある人ならどなたでも結構です。特に、自分の故郷を大事したいと思っている人は心が広い人だと思うので、ずっとでくまわしを継承してもらえるのではないでしょうか。

石川県の魅力・思い出の地について教えて下さい。

私の故郷、でくまわしの里は手取川ダムの底に沈みましたが、でくを回すと昔の尾口村深瀬が頭に浮かんできます。むちゃくちゃ降る雪、めちゃくちゃ澄んだ川、みんな新鮮で素晴らしい故郷が心の中にあります。

聖火ランナーとして若者たちに一言お願いします。

東京1964オリンピックの聖火リレーを見て、自分もこんなことができたらと夢に描いていました。何事もチャレンジすることで夢は叶う。若者よ、挑戦、挑戦、挑戦あるのみ。