Photo by David Ramos/Getty Images
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地上8メートルの跳躍でみせるアクロバティックな演技。卓越したバランス感覚で宙を舞う

競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」

トランポリンのルールや見どころを1分間の手書きアニメーション動画でご紹介します。トランポリンに詳しい人も、そうでない人も、まずは動画をチェック!

One Minute, One Sport トランポリン
01:23

競技概要

空中でのアクロバティックな演技で、美しさ・難しさ・高さを競う採点競技。技の出来栄えを見る演技点と、回転とひねりの数で算出する難度点、滞空時間を計測する跳躍時間点、さらにどれだけトランポリンの中心で演技を行うかを評価する移動点を加算し、それらの合計得点で順位を競う。

縦4.28メートル(プラスマイナス6センチメートル)、横2.14メートル(プラスマイナス5センチメートル)の、テープ状のナイロンなどを編んだベッドと呼ばれる弾力性の強いシートを、スプリングでフレームに固定し、反動によって高く跳躍する。男子選手のジャンプの高さは地上8メートルにも達するほどダイナミックだが、空中でわずかでも傾いたり姿勢を崩すと中央のゾーンに着床できないという繊細な一面も持っている。選手には卓抜したバランス感覚と運動能力が求められ、観客はその迫力に息を呑む。

種目

  • 個人(男子/女子)

競技の魅力、見どころを紹介

10種目連続して行われる高難度の跳躍や宙返り 決勝ではドラマチックな大逆転劇の可能性も

まるで空中遊泳をするような浮遊感を伴って、連続して行われる跳躍や宙返りダイナミックさ、姿勢の美しさが注目ポイントだ。選手はジャンピングゾーンと呼ばれる赤い枠内で、高さのある安定した演技を目指す。もっとも重要な点は、それぞれの跳躍でより高く垂直方向に跳ぶことだ。高さと滞空時間を稼ぐために、トランポリンの中央に着地するよう意識し、次の跳躍の高さへと繋げていく。だが足元が不安定なうえ、空中で少しでも体勢が崩れただけで着地位置が大きくずれてしまうという危うさがある。演技中、目印として中心部に描かれた7センチメートル(プラスマイナス3センチメートル)の赤い十字マーク付近にきちんと降りられるか、また外れてしまった場合には次の跳躍でうまく体勢を持ち直すことができるかが見どころとなる。

ちなみに、跳躍や宙返りの空中姿勢には、タック(抱え型)、パイク(屈身型)、レイアウトあるいはストレート(伸身型)の基本的な3種類がある。さらに回転数やひねりを加えることで技の難易度が上がり難度点が計算される。

オリンピックの予選では、第1自由演技および第2自由演技の合計で予選が行われる。第1自由演技は、ルールで定められた特別要求(特定の技や演技構成により加点される)を含む、異なる10種目の技を構成し演技を行う (10種目中4種目が難度加算される)。また、第2自由演技は任意の異なる10種目の技を構成し演技を行う。そのため、第1自由演技より、さらに高難度の技の連続を見ることができる。また、演技の美しさ(Eスコア)、技の難しさ(Dスコア)に併せ、高さ (滞空時間) の跳躍時間点(Tスコア)、およびどれだけ平行に移動しないかを評価する移動点 (Hスコア)すべてを合計し、上位8名が決勝に進出する。連続で10種目、しかも1種目ずつ高難度の技を実施しなければならないため、体力と集中力、さらには強い精神力が要求されるシビアな競技といえる。世界の男子選手のトップクラスだと、10種目のDスコアは17.0点を超える。メダル争いに絡むには、このラインが目安となるだろう。

なお決勝での自由演技は、予選の得点は加算されず0点スタートとなり、決勝の得点のみで順位が決定する。しかも、やり直しがきかないため、たとえ8位通過の選手でも一発逆転優勝の可能性がある。そのため上位通過者といえども油断できず、予選とはまったく順位が入れ替わるようなスリリングな勝負が繰り広げられることになるのだ。約20秒と短い競技時間は一発勝負の緊張感に満ちている。一瞬も目を離さずに、1本1本の跳躍を見守ろう。メダルの行方は、最後の選手の演技が終了するまでわからないのだ。

Photo by Cameron Spencer/Getty Images
Photo by Cameron Spencer/Getty Images

東京2020大会に向けた展望

表彰台の常連中国 女子はカナダ勢の堅実さが際立つ

オリンピックではシドニー2000大会から個人競技のみが新種目として正式採用され、男女各12名が参加したのが始まりだ。オリンピックの出場枠は、男女それぞれ各国最大2名。前年に行われる世界選手権大会で決勝に進出した選手の所属国が出場権を獲得し、それ以外の出場権はワールドカップシリーズの上位成績などで決定する。

オリンピック競技としての歴史は浅いものの、男女とも特に中国勢の活躍が目立っており、表彰台の常連だ。男子のドン・ドン(中国)は、北京2008大会で銅メダル、ロンドン2012大会で金メダル、リオデジャネイロ2016大会で銀メダルと、3大会連続でメダルを獲得した大ベテラン。中国のほか、ロシアやベラルーシなども強豪国と見なされている。女子は、ロザンナ・マクレナン(カナダ)がロンドン2012大会・リオデジャネイロ2016大会で連覇を果たすなど、5大会連続でメダルを獲得しているカナダ勢の堅実さがあるが、男子同様に中国、ロシア、ベラルーシが上位を占める。

足や腕を伸ばした美しい姿勢で正確に、より高く、そして力強い演技が求められるトランポリン。東京2020大会では、どんな選手がオリンピックのプレッシャーに飲まれることなく華麗な跳躍を冷静に決めることができるのか、そして決勝ではどのような逆転ドラマが展開されるのかに注目したい。

<日本>
日本では、最初の全日本選手権大会が1964年に大阪で開催された。近年、競技人口が増えており、世界で活躍する選手も育っている。中田大輔が1995年から日本選手権7連覇を達成し、シドニー2000大会に出場。北京2008大会には外村哲也と上山容弘が出場し、外村が4位に入賞した。上山はロンドン2012大会で5位入賞し、伊藤正樹は2008年と2011年には世界ランキング1位となり、ロンドン2012大会で4位、リオデジャネイロ2016大会では6位に入賞した。また、棟朝銀河がリオデジャネイロ2016大会で4位に入賞している。
女子は、丸山章子(旧姓:古)のシドニー2000大会6位入賞が最高順位で、廣田遥がアテネ2004大会(7位入賞)、北京2008大会に連続出場、ロンドン2012大会には岸彩乃、リオデジャネイロ2016大会には中野蘭菜選手と出場が続いている。予選の壁を突破して、決勝の舞台で高く舞う日本選手の活躍が期待される。

トリビア

(2020年3月24日現在)