Photo by Matt KingGetty Images
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日本に集いし世界のトップサーファーたち。波の上を疾走し、ダイナミックに踊る

競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」

サーフィンのルールや見どころを1分間の手書きアニメーション動画でご紹介します。サーフィンに詳しい人も、そうでない人も、まずは動画をチェック!

One Minute, One Sport サーフィン
01:23

競技概要

若い世代に関心が高く活気あふれる競技をオリンピックのプログラムに加えたいと、東京2020組織委員会が追加種目として提案した5競技の1つ。東京2020大会で新たに採用されることになった。競技が行われるのは自然の海。波の状態は、風の強さや風向き、潮の干満などによって変わる。同じ波は2つとないため、自然の状況を見極めながら選手が互いに高度なライディングテクニックを競うのがサーフィン競技なのだ。

板を使って波に乗るアート サーフィンは、ハワイやタヒチに住む古代ポリネシア人によって始められたと言われている。広めたのはストックホルム1912大会とアントワープ1920大会の水泳でアメリカ代表として金メダルを獲得した、ハワイ出身のデューク・カハナモク。近代サーフィンの父と呼ばれているカハナモクは、ストックホルム1912大会の金メダルを表彰台の上で受け取りながら、いつの日かサーフィンがオリンピック競技になってほしいという夢を語り、その種をまいた。

競技としてのサーフィンはサーフボードのサイズや種類によって大きく2つに分けられる。 古くから親しまれたのは、長さ9フィート(約274センチメートル)以上のロングボードで、ボード上を歩くテクニックが中心となる。一方、1970年前後に登場したショートボードは、長さ6フィート(約183センチメートル)前後でボードの先端がとがっている。こちらは細かいターンがしやすいタイプだ。ショートボードは、それまで平面的な動きだったサーフィンに縦の動きを与え、三次元のダイナミックな技を可能にした。東京2020大会のサーフィンは、このショートボードで行う。

種目

  • ショートボード(男子/女子)

競技の魅力、見どころを紹介

海という大自然と戦う選手たち ダイナミックな技に感動する

オリンピックでは、各ヒート(試合)を4~5選手で競う予選ラウンドを勝ち抜いた選手が本戦ラウンドに進む。本戦ラウンドでは2選手が1ヒート(試合)を戦い、勝者が次のラウンドに勝ち進み、敗者はここで敗退する。

1ヒートは通常30分程度で、その日のコンディションによってテクニカルディレクターが決定する。各選手は時間内に25本までライディングでき、そのうちの点数の高い2本の合計点がそのヒート(試合)の結果となる。

海では同じ波は2つとない。波がどのようにブレークする(崩れる)かも異なるため、波によってどれだけ得点できるかも変わってくる。5人のジャッジが採点基準に従って1つ1つのライディングを採点する。採点基準はうまく波に乗れたかどうかをベースに、技の積極性や難易度、革新性と進歩性、主な技が入っているか、バリエーションはどうか、スピード、パワー、演技の流れなどが主な要素となる。

選手たちは、より多く波に乗る、より多く技を披露することよりも、最も質の高い技を仕掛けるためにそれを可能にする波を慎重に選んで乗る。技に決められた点数があるわけではなく、1つのライディングで披露される様々な要素を総合的にジャッジし、得点が加算される。例えば、パワーなら様々な種類のカットバック、オフ・ザ・リップやフローターなどの技、進歩性では様々な種類のエアリアル、スライド、リバースといった技が代表される。サーフィンで最高の技と言われるのはチューブ状の波の中に入って乗るバレルだが、これもいくつかのテクニックや完成度によって採点が左右される。

崩れる直前の波の頂点をピークというが、選手は自分が選んだ波に乗るためにピークにポジションを取ろうとする。同じ波に複数の選手が乗ろうとする場合、ピークに最も近い選手がその波に乗れる「優先権」を持つ。

東京2020大会に向けた展望

強豪はやはり発祥の地アメリカ。まずは出場選手に注目だ

東京2020大会でオリンピックデビューとなるサーフィン。どの出場国もメダルを狙っている。サーフィン発展のルーツであるアメリカは長い歴史を誇り、オーストラリアは優れたサーファーを輩出することで知られ、重要な大会では常に上位に入っている。最近はブラジルの急成長が目覚ましい。ブラジルでサーフィンはサッカーに次ぐ人気スポーツになっており、「ブラジルアン・ストーム」は中南米のサーフィンをけん引している。

男子では、アメリカのジョンジョン・フローレンスやケリー・スレーター、オーストラリアのミック・ファニングやジョエル・パーキンソン、ブラジルのガブリエル・メディーナやアドリアーノ・デ・スーザなど、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)のチャンピオンシップツアーのトップに君臨してきた強者がそろっている。その他にも、コロヘ・アンディーノ(アメリカ)、イタロ・フェレイラ(ブラジル)、ジョーディ・スミス(南アフリカ)や五十嵐カノア(日本)などがツアーで活躍している。

女子では、オーストラリアとアメリカが何十年もトップを独占してきた。世界チャンピオンには、オーストラリアのステファニー・ギルモアやタイラー・ライト、アメリカのカリッサ・ムーアらが名を連ねる。最近では、オーストラリアのサリー・フィッツギボンズ、アメリカのレイキー・ピーターソンとキャロライン・マークス、ブラジルのタティアナ・ウェストン・ウェブとシルバナ・リマなどが頭角を現している。

<日本>
日本サーフィン連盟を中心に、71名の強化指定選手を選出(2020年)。そのうち次期世界大会で4位以内に入る可能性が高いA指定は男子6名、女子9名(2020年度)。注目選手はオリンピック出場の権利を獲得した、ワールドサーフリーグ、チャンピオンシップツアー(インドネシア大会)で優勝した五十嵐カノア、2019年世界選手権でアジア大陸最高位(男子)の4位に入賞した村上舜、同選手権でアジア大陸最高位(女子)の15位を獲得した松田詩野。小柄だがダイナミックな技で世界の大会の上位に食い込む(釣ヶ崎海岸サーフィンビーチがある)一宮町出身の大原洋人、世界ジュニア選手権で入賞経験のある稲葉玲王や、優勝経験のある上山キアヌ久里朱、安室丈にも注目だ。女子は世界選手権で何度も入賞している大村奈央、ハワイ出身の前田マヒナ、世界で活躍中の脇田紗良、一宮町の高校生プロサーファーとして成長中の中塩佳那からは目が離せない。

トリビア

(2020年3月24日現在)