新体操

Photo by Mark Kolbe/Getty Images
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アスリートでありアーティスト。息のあった華麗な舞で美を競う

競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」

新体操のルールや見どころを1分間の手書きアニメーション動画でご紹介します。新体操に詳しい人も、そうでない人も、まずは動画をチェック!

競技概要

手具を使いながら音楽に合わせてリズミカルな演技を行い、芸術性を競う採点競技。身体と手具が一体化するような、しなやかで洗練された美しい動きと、曲の雰囲気に溶け込むような演技が魅力だ。躍動感あふれるダイナミックな動きの中に、頭からつま先まで全神経を集中させてバランスを保つ繊細さを兼ね備えている。

演技は13メートル四方のフロアマットで行われ、個人競技と団体競技の2つに大きく分けられる。個人は「ロープ(個人はジュニアのみ)・フープ・ボール・クラブ・リボン」の5つのうち、オリンピックではロープ以外の4種目を1人の選手が行う。団体は、1チーム5人の選手によって2種目が行われる。なお演技時間は、個人競技は1種目につき1分15秒~1分30秒、団体競技は各種目2分15秒~2分30秒と決められており、長すぎても短すぎても1秒につき0.05点の減点となる。

1963年に第1回新体操世界選手権大会がハンガリーで開催された後、女子のみのオリンピック正式種目になったことで、多くの国々に新体操が広まった。個人総合はロサンゼルス1984大会から、団体総合はアトランタ1996大会から実施されている。

種目

  • 個人総合(女子)
  • 団体(女子)
Photo by Ronald Martinez/Getty Images
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2012 Getty Images

競技の魅力、見どころを紹介

各種目に求められる高度なテクニック 手具と連動した動きや柔軟性が見どころ

競技の一番の見どころは、スピード感あふれる巧みな手具さばきだろう。6メートルの長さのリボンを流れるように大きな弧を描くなど自在に操るためには、常に手首を動かしていなければならない。しかも、リボンが床についたり、絡まって結び目ができたりすると減点対象となってしまう。笑顔で華麗に舞いながら、いとも簡単にリボンをクルクル回しているように見えるが、実際は見た目以上に筋力が必要なのだ。

空中に投げてキャッチしたり、身体に巻きつけたりするロープの演技は、持ち方や投げ方のテクニックはもちろん、軽やかなステップやジャンプにも注目しよう。フープの演技では、高く投げたフープを体を通して受け止めるといった高度なテクニックと、ダイナミックな動きが見せ場だ。

ボールの演技では、手具であるボールが小さい分、特に体や動きの柔軟性が重要となる。腕や背中などで転がすボールが、身体に吸いつくように流れる動きが見どころだ。長さ40〜50センチメートルのクラブの演技では、必ず2本をセットで使う。左手で回しながら右手で投げるなど左右で異なった動きをすることもあり、常に双方を意識しなくてはならず、より集中力が必要とされる分、落下も起こりやすい。

選手は、より完璧な演技を目指すが、一瞬のミスによる減点が大きく順位を左右する。リオデジャネイロ2016大会の個人総合では、ハイレベルな頂上対決において、マルガリータ・マムン(ロシア)が金メダルを獲得したが、トップで前半を折り返したチームメイトのヤナ・クドリャフツェワ(ロシア)が演技の最後にクラブを落としたミスが明暗を分けた。

なお団体では、単一の手具(東京2020大会はボール)、または2種類の手具(東京2020大会はフープとクラブ)を組み合わせて演技を行う。投げによる手具の交換といった、曲芸のように大胆な技を含め、スピーディーかつ息の合った一糸乱れぬ動きに注目だ。

そして、着用する衣装も見どころの一つ。デザインや色づかい、装飾が凝っており、ラメやスパンコールがふんだんに施されてきらびやかに輝く、色鮮やかな衣装でも楽しませてくれる。選手は力強さやスピード、そして柔軟性が求められるアスリートであると同時に、美しさを表現するアーティストでもあるのだ。

Photo by Alex Livesey/Getty Images
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2016 Getty Images

2020に向けた展望

圧倒的な強さを誇り、連覇を続けるロシア 演技を引き立てる音楽にも注目を

新体操のルーツは、バレエをもとにした芸術体操と考えられている。そのため、バレエの歴史が古く、伝統のあるヨーロッパ勢が上位をほぼ独占する状態が続いている。特に、芸術性のあるスポーツに圧倒的な強さを誇るロシアの存在が際立っており、世界をリードしている。個人総合・団体総合とも、シドニー2000大会からリオデジャネイロ2016大会まで5連覇中で、エフゲニア・カナエワ(ロシア)は北京2008大会・ロンドン2012大会と連覇を果たしている。各国・地域もロシアに倣い、また独自の技やスタイルに磨きをかけているが、選手層の厚さや環境から鑑みて、この傾向は長く続くと思われる。そのほか、ベラルーシやウクライナがメダルの常連だ。

なお、卓越した技術と同時に、凛とした美しさや芸術性を競い合う新体操では、女性らしい身体のラインを強調するしなやかな演技が大きな魅力なので、身長が高く、長い手足が目を引く選手が多いのが特徴だ。

また、優美な演技の魅力を引き出す音楽の役割も大きい。各国の選手が、どのような曲を用いて自身の演技の世界観を表現するのかにも、ぜひ注目しよう。ちなみに、声は楽器の一つと考えられるため、ボーカル入りの曲は団体競技1演技まで、個人競技2演技まで許容されている。

<日本>
日本では1968年の全日本学生選手権で初めて個人競技が行われ、この大会をきっかけに「新体操」という名称が使われるようになった。日本代表は、日本体操協会によって編成される日本ナショナル選抜チームで、愛称は「フェアリージャパン」だ。全国からオーディションで選んだ若手選手を集中合宿で鍛えていく強化策を取っている。
リオデジャネイロ2016大会の団体総合では「リボン4本投げ」の大技に挑み、予選で見事に成功して観客を大いに沸かせ、8位入賞となった。東京2020大会での更なる活躍に期待しよう。

トリビア

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