飛込

ダイナミックな回転から、一点の乱れもない入水

2秒の演技が起こす大逆転劇は、まばたきすら許されない

競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」

飛込のルールや見どころを1分間の手書きアニメーション動画でご紹介します。飛込に詳しい人も、そうでない人も、まずは動画をチェック!

競技概要

3メートルのジュラルミン製でできた飛板を使い、反発力を利用して演技を行う「飛板飛込」と、10メートル高さの台から飛び込む「高飛込」の2種類が行われる。演技は、踏切の方向と宙返りの方向、演技に捻りを加えたもの、逆立ちからスタートするものがある。採点は、回転の型(伸型、蝦型(えびがた)、抱型)の3種類を組み合わせた演技の美しさや入水時の水しぶきの少なさなどを見る。これに加え、シンクロナイズドダイビングは、2人でどれだけ演技が同調(シンクロ)しているかも採点される。

種目

  • 3m飛板飛込(男子/女子)
  • 10m高飛込(男子/女子)
  • シンクロダイビング3m飛板飛込(男子/女子)
  • シンクロダイビング10m高飛込(男子/女子)
Photo by Clive Rose/Getty Images
Photo by Clive Rose/Getty Images
2016 Getty Images

競技の魅力、見どころを紹介

一瞬に凝縮された美 逆転劇も起こりやすい

飛込の魅力は、演技がスタートして2秒弱で勝負が決まる「一瞬の美」にある。5種類の踏切の方法と、前後の回転の方向に加えた捻りに、回転時の身体の形を組み合わせて演技を行い、その美しさとダイナミックさが採点される。入水時の水しぶきをどれだけ抑えられるかも採点基準のひとつだ。採点は10点満点からの減点法で行われる。

入水は見た目にも分かりやすい。オリンピックの決勝で戦う世界のトップ選手たちは、ほとんど水しぶきを上げない。特に、入水したかと思えば、全くしぶきが上がらず、ぼこぼこと泡が水面に見えるだけの「リップ・クリーン・エントリー」とよばれる入水は美しく、最も得点が高い。

以前は、3m飛板飛込では踏切から入水までの回転が、1回転半から2回転半が基本だった。近年では、飛板をしならせてその反発力を使って高く飛び上がることにより、3回転半から4回転半も回転するダイナミックな演技がメインになってきた。

近年の世界トップクラスの選手をみると、力を発揮し始めているのは、背が高く手足の長い選手である。特に男子は手足が長いと空中での回転が大きくなり、演技がダイナミックかつ美しくみえるのだ。

高飛込では台の反発力を得られないため、飛び上がることよりも、いかに入水までに素早く小さく回転することができるかがポイントになる。そのため、高飛込の上位には、背が小さく瞬発力の高い選手が多い。

飛板飛込、高飛込ともに男子は6回、女子は5回演技を行い、その合計点数を競う。最後の演技の直前までリードを許していたとしても、最後の演技で逆転することもできる、1試合の順位変動が激しい種目だ。事実、北京2008大会の高飛込では、5本目まで地元中国の選手がリードしていたが、最後の6本目でオーストラリアの選手が逆転してオリンピック史にのこる劇的な優勝を飾った。演技は一瞬で決まるのに対し、勝負は最後の最後まで分からない。そうしたスリリングな魅力が、飛込には詰まっているのである。

2020に向けた展望

男女ともに中国優位。牙城を崩すのはどの国・地域か

セントルイス1904大会以降、アメリカが圧倒的な強さを誇っていたが、女子はロサンゼルス1984大会から、男子はバルセロナ1992大会から中国選手が台頭しはじめ、北京2008大会においては全8種目中7種目を中国が制するなど、強さを見せつけた。中国は2回転半~3回転半が主流だった時代に、4回転半という難しい飛込を行い、さらに入水もリップ・クリーン・エントリーまではいかないまでも、ほとんどしぶきがあがらない「ノースプラッシュ」の演技をしたのだ。

しかし、近年ではイタリア、イギリス、オーストラリアに加え、アメリカも力を取り戻しているため、東京2020大会では混戦が予想される。

欧米勢が復活しつつある大きな理由は、長身の選手が難度の高い4回転半を飛べるようになったことだ。捻りの数も、1回が2回になり、そして3回行う選手も出てきた。やはり手足の長い選手が大きな身体を素早く回転させ、そしてノースプラッシュの入水をする様は美しい。事実、リオデジャネイロ2016大会では、男子3mシンクロナイズドダイビングの優勝チームはイギリスで、2位にはアメリカが入り、中国は3位、と勢力図に変化が訪れ始めている。

また、演技の難易率が高くなればなるほど入水が難しくなっていくため、今まで以上に入水が勝敗を分ける重要なポイントになっていくことだろう。

より高く、より速く、より多く回転し、より美しく入水することが求められていく飛込。東京2020大会に向けて、演技が大きく変わっていくに違いない。それに伴い、勢力図が大きく変動する可能性もある。

<日本>
ベルリン1936大会の4位入賞が、オリンピックにおける日本の飛込の最高順位だ。リオデジャネイロ2016大会では、板橋美波が女子高飛込で8位入賞を果たした。男子の坂井丞も力をつけてきており、難易度の高い種目でいかに美しい入水を決められるかが日本の課題となっている。またシンクロナイズドダイビングは、1つの国・地域から複数の選手が出場できる他の飛込種目とは異なり、出場は各国・地域で1組だけ。日本が出場権を得ることができれば、メダル獲得の可能性が出てくる。

トリビア

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