自転車競技(BMXフリースタイル)

Rim Nakamura competes in Huntington Beach. Photo by Harry How/Getty Images
Rim Nakamura competes in Huntington Beach. Photo by Harry How/Getty Images

トリックの難易度や独創性など、自転車競技に新たな風を吹かせる

競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」

自転車競技のルールや見どころを1分間の手書きアニメーション動画でご紹介します。自転車競技に詳しい人も、そうでない人も、まずは動画をチェック!

One Minute, One Sport 自転車競技
01:23

競技概要

1970年代半ばの米国カリフォルニア州のレースカルチャーが由来。オートバイのモトクロスライダーをまねようとした子どもたちが自転車で空中に高く上がり、トリック(技)をしたのが始まりだ。テレビ放映されるようになってメジャースポーツに移行した採点競技で、選手は20インチの自転車に乗り、曲面やスロープを複雑に組み合わせたコースを自在に使いながら、60秒間にトリック(ジャンプ・空中動作・回転)などを行って競う。採点の対象はトリックの難易度や独創性、構成、スタイル、スピード、コントロール、着地など。これまで速さを競うことに主眼が置かれていた自転車競技に新たな風を吹かせるべく、若者のスポーツとして、東京2020大会でデビューする。

種目

  • パーク(男子/女子)
© 2018 / Comité International Olympique (CIO) / CHAVES, Nelson

競技の魅力、見どころを紹介

ライダーそれぞれの個性あふれるエキサイティングなトリックに注目

東京2020大会では男子9人、女子9人、計18人のアスリートが競う。各国の出場枠は最大で2だが、1カ国から2人出られるのはUCI世界ランキング1位がいる国・地域のみ。オリンピックのアスリート数では最少種目の1つであり、選りすぐりのトップライダーたちの戦いとなる。

競技方法は、まず、決勝の滑走順を決定するラウンド(シーディング)がある。選手(ライダー)は、1ラウンド60秒を2ラウンド実施し、両方のラウンドのポイントの平均がスコアとなる。ここで最高得点となったライダーがファイナルで最終滑走者となる。

決勝では60秒の滑走が2回行われ、2回のうちのベストスコアで順位が決まる。このため、1回目の点数が低くても2回目で逆転が可能。1回目を安定性の高い技でまとめて、2回目に高度な独創性のある技で攻めるという試合運びもできる。最終滑走のライダーは、それまでの全員の演技を見ることができるため、点の出方や他の選手の演技構成を参考にして自分の技を選択できるという利点がある。

注目は、空中で後方に縦回転する「バックフリップ」や車体を横に回転させる「テイルウィップ」、空中でハンドルを手放して一回転させる「バースピン」などのエキサイティングなトリック。空中に高く跳び上がる様はアッと息を飲むようなダイナミックさがある。採点では、難度の高さもさることながら、トリックの流れや創造性が重要な要素になるので、ライダーそれぞれの個性を見るのも楽しみの一つだ。

© 2018 / Comité International Olympique (CIO) / CHAVES, Nelson

東京2020大会に向けた展望

世界のトップライダーが初代金メダリストの座を狙う、誰にもメダルのチャンス

東京2020大会から加わるBMXフリースタイルでは、世界のトップライダーたちが初代金メダリストとなって歴史に名を残すことを、虎視眈々と狙っている。

男子の優勝候補として真っ先に挙げられるのは、BMXフリースタイル・パークの2019年世界選手権チャンピオンであるブランドン・ルーポズ(オーストラリア)。スピード感たっぷりのランから繰り出される高さのある空中トリックはダイナミック。難しい前方の1回転や回転軸を斜めにずらしながらの空中トリックは圧巻だ。BMX界で長く活躍しているベテランのダニエル・ダース(ベネズエラ)は、コースの使い方も巧みで、意表を突かれる面白さがある。

2019年ワールドカップシリーズで総合優勝を果たした日本の中村輪夢も、メダル候補の一角だ。ホームの利もあり、期待は大きい。

女子は、2019年世界選手権優勝のハンナ・ロバーツ(アメリカ)が金メダル候補で、マカリーナ・ペレス(チリ)、シャーロット・ワーシントン(イギリス)も表彰台を狙う。

しかしながら、東京2020大会の出場者は男女各9人。誰にとってもメダルのチャンスがありそうだ。会場はBMXレーシングやスケートボードも開催される有明アーバンスポーツパーク。お祭りのようなエキサイティングでエネルギッシュな体験ができるだろう。

<日本>

男女1人ずつの出場枠がある。男子は2019年ワールドカップシリーズで総合優勝を果たした中村輪夢に期待が寄せられる。父親もBMXライダーであり、幼少時からBMXを楽しみながら育ち、中学を卒業した2016年にプロライダーになった。まだ10代と若いため、トリックの難度が年々上がり、バリエーションもどんどん増えているのが強みだ。2019年のUCIワールドカップ広島大会でワールドカップ準優勝を飾ってから急激に自信をつけており、19歳で迎えることになる東京2020大会はメダル候補の一角と目されている。

女子は第一人者の大池水杜が表彰台に食い込む力を持っている。ともに合宿や海外遠征を行う男子のナショナル強化選手のトリックは良き手本。こちらも試合を重ねる毎に実力をつけている。

トリビア

(2020年3月24日現在)