アーティスティックスイミング

ダイナミックかつ繊細な舞

一糸乱れぬマーメイド達の競演が、観客を虜にする

競技紹介アニメーション「One Minute, One Sport」

アーティスティックスイミングのルールや見どころを1分間の手書きアニメーション動画でご紹介します。アーティスティックスイミングに詳しい人も、そうでない人も、まずは動画をチェック!

競技概要

音楽に合わせてプールの中でさまざまな動き・演技を行い、技の完成度や同調性、演技構成、さらには芸術性や表現力を競う。オリンピックでは女子のみで実施されるアーティスティックスイミング。2分20~50秒の曲に、決まった5つの動きを入れるテクニカルルーティンと、3〜4分の曲の中で自由に演技するフリールーティンが行われる。

美しい装飾を施した特殊な水着を着け、水にぬれても落ちないメイクを施し、水が鼻に入らないようにノーズクリップを着用(しなくてもよい)し、水の中で舞う選手たち。同調性、難易度、技術、そして演技構成などが採点され、順位が決まる。

種目

  • デュエット(女子)
  • チーム(女子)

競技の魅力、見どころを紹介

チームによって異なる美しい個性と次々に繰り出される新しい技に注目

アーティスティックスイミングがオリンピックで正式種目として採用されたのは、ロサンゼルス1984大会から。その30年あまりの歴史のなかで、幾度となく競技規則やルールの変更が行われてきた。当初はソロ(1人)とデュエット(2人)の2種目が行われていたが、アトランタ1996大会では、チーム(8人)のみが行われた。その後、シドニー2000大会でデュエットが復活。それ以降はデュエットとチームの2種目が行われている。プールは水深3メートル、20メートル×25m以上という決まりがある。

採点は1組5人の審判員が3組で行う。

テクニカルルーティンでは、1組が完遂度を採点し、もう1組は構成、音楽の使い方、同調性、難易度、プレゼンテーションを採点し、3組目はエレメンツ(5つの決まった動き)を採点する。主に規定の技の完遂度が高く、うまく同調しているかどうかが採点基準となる。

フリールーティンでは、1組が完遂度、同調性、難易度を採点し、もう1組は構成、音楽の解釈、プレゼンテーションを採点し、3組目は難易度を採点する。演技時間は長く構成は自由だが、そこには高い表現力と芸術性が必要となり、ある意味テクニカルルーティンよりも難しい。

テクニカルルーティンもフリールーティンも、それぞれの国・地域が思い思いのデザインの水着を身につけ、民族性に富んだ構成・音楽で演技をするため、チームごとに個性的な美しさがある。

選手たちは手で水をかき体の位置を保ったり推進力を得たりするスカーリングという技術と、それを脚で行うエッグビーターキック(巻き足)などの技術を駆使することによって、身体を水面から大きく出す演技を行う。その瞬間の力はかなり強く、腰まで水面に出すこともできる。また、水中で逆さまになって下半身だけを水面から出す演技も行う。脚技もアーティスティックスイミングでは非常に重要な技術だ。

顔が水中に沈んでいる時間が長く、もちろんその間は呼吸を行うことはできない。息を止めた状態で、ときには30秒以上の脚技を繰り出す選手もいる。

だが、技が激しいだけでは演技が雑に見えてしまい、減点対象になることもある。激しさのなかに、丁寧さや細やかな同時性が伴っていないと高得点を得ることが難しくなった。リフトのダイナミックさのみならず、指先、つま先まで意識を行き渡らせた繊細な演技と同時性こそが、今後のアーティスティックスイミングにおける重要な要素になっていくことだろう。

2020に向けた展望

リフトのダイナミックさに加え緻密な演技と同調性を兼ね備えた繊細さが勝負の決め手

アーティスティックスイミングの起源は、1800年代後半にイギリスで行われていたスタントスイミングと呼ばれるもので、主に男性が中心の競技だった。その後、ドイツのアーティスティックスイミングと組み合わせた競技が1900年初頭から行われ、これがアーティスティックスイミングの基礎になったといわれている。

オリンピック競技として最初に行われたのはロサンゼルス1984大会。その頃はまだそれほど激しい演技は少なく、しなやかさとあでやかさを前面に押し出した演技構成が多かった。ところが、シドニー2000大会あたりから多種多様なリフトが行われるようになる。さらに1、2人の選手を持ち上げて高さをアピールするリフトに、ジャンプが加わるようになった。そこから捻りを加えたり、空中でさまざまな演技を行ったりするようになり、現在ではジャンパーというポジションが確立されるほどになった。リフトはデュエットでも行われるようになり、こちらもダイナミックなジャンプが多く取り入れられるようになっている。これらの技はアーティスティックスイミングの大きな見どころといえよう。

演技の細かい部分にも、少しずつ変化が起こっている。指先、つま先はピンと伸ばした美しさが重視されていたが、近年ではわざと足首を背屈させ、回転する際に少し変化をもたらすことも多い。手で水面を叩いたり、円を描くようにしてなぞったりするときに生じる水しぶきすらもコントロールすることで、演技の幅を大きく広げた。

演技構成の変化は、アーティスティックスイミングにおける勢力図も変化させた。オリンピックに正式採用された当時は、アメリカやカナダが強かったが、長身で手足の長い選手をそろえるロシアやスペイン、フランス、さらにはウクライナといったヨーロッパ諸国が力をつけ始める。さらにアジアの活躍もめざましく、最近では日本に加えて中国も強豪国の仲間入りを果たした。

<日本>
アーティスティックスイミングが初めて行われたロサンゼルス1984大会以来メダルをとり続けてきた日本は、北京2008大会のチームでメダルを逃し、ロンドン2012大会ではデュエット、チームともメダルなしに終わる。だが、元来得意としていた同調性を追求し、日本の伝統文化を表現した曲や演技構成で、リオデジャネイロ2016大会ではデュエットもチームも銅メダルを奪還。今後はさらに上のメダル獲得に挑む。

トリビア

現在、関連するコンテンツはありません