KABUKI×OPERA「光の王」主演 市川海老蔵さんインタビュー 「挑戦とは、なんだ。」に込める思い

主演の十一代目市川海老蔵さん
主演の十一代目市川海老蔵さん

東京2020大会祝祭、東京2020 NIPPONフェスティバルのキックオフ

東京2020 NIPPONフェスティバルの主催プログラムの一つ「大会に向けた祝祭感」として2020年4 月18 日(土)、一日限りでKABUKI×OPERA「光の王」Presented by ENEOSが開催されます。東京2020 NIPPONフェスティバルの幕開けにふさわしい夢の舞台、歌舞伎とオペラという「生身の身体の可能性」を表現する芸術を融合し、「挑戦し続けることの素晴らしさ」や「スポーツ・文化に留まらず挑戦し続ける全ての人々への称賛」を届けます。誰も見たことのない新たな舞台に「挑戦」する主演の十一代目市川海老蔵丈に舞台への思いや歌舞伎の魅力についてうかがいました。

市川海老蔵さんインタビュー

海老蔵さんは、今回の舞台についてどうとらえていらっしゃいますか?

微力ながら、東京2020オリンピック・パラリンピックの文化・教育委員会の委員の一人として、オリンピック・パラリンピックへ向けて機運を高めるフェスティバルのキックオフに参加させていただき、歌舞伎というものオペラというもの、様々な方々と共演できる機会をちょうだいしたことを感謝しております。

東京2020 NIPPONフェスティバルには4本の主催プログラムがございまして、その最初がこのイベントだそうでございます。最初であるということは非常に重要な役割の一つを担うことになると思いますので、もちろん多くの方に観ていただくことと、日本の方々に「オリンピックがくる、パラリンピックがくる」と気持ちを高めていただけるエネルギーになっていくことが、このキックオフイベントに託されたことで、関わる方々の一番の願いです。

どういう舞台を作っていきたいですか?

今回のオリンピック・パラリンピックのテーマはレガシー、多様性と調和ということで、オペラ、歌舞伎、様々な芸能が多様的であるというなかで、それを調和していくということも一つのテーマかなと。それが後々いろんなところでできるようになるというのがレガシーにつながると思っています。東京2020オリンピック・パラリンピックの多様性と調和、レガシーという言葉を作品の核にいれたなかで製作していければいいと思いますし、大変大きなお仕事だという緊張感があります。

東京2020組織委員会の古宮正章副事務総長がおっしゃったように、この舞台が、オリンピック・パラリンピックが盛り上がるための一つの起爆剤になればいいなと思いますし、多くの方々に観ていただきたいと思います。さまざまな挑戦をしていく、日本人として精いっぱいオリンピック・パラリンピックに向かっていくことを皆さんに見ていただきたい。それが結果としてレガシーとして残ってもらえたならば、参加した人間、観ていた人間、東京2020オリンピック・パラリンピックに関係した皆様に喜んでいただけるのではと思います。

会見には外国人メディアも
会見には外国人メディアも

「挑戦とは、なんだ。」というキャッチコピー、「挑戦」についてはいかがですか?

なかなか昨今、挑戦しづらい世の中になっているような気がしますし、挑戦すると何か言われるような風潮が強いように思います。これを機に何を言われても動じないようなことに挑戦していく。己もそうですし、オペラの方、歌舞伎の方、裏方さんもスタッフも新しいことに挑戦することになるわけですね。各々の挑戦にもつながるし、それが大きく羽ばたくことを願って製作に入るということは、大きな「挑戦」という言葉にあっているのではと個人的には思っています。

5月に十三代目市川團十郎白猿襲名を控えた時期の舞台ですが、どういう思いで臨まれますか?

團十郎になるとなかなかできないことも多いのではないかと、そういうことは気にせずいきたいと思いますが、4月はまだ海老蔵なので、海老蔵として思い切りできることをやりたいと思っております。常に思い切って舞台を勤めていますが、今回はさらに思いを切る、思い切ってやる、市川海老蔵として最後かもしれないお仕事にふさわしくなれるように海老蔵として勤めきりたいと思います。

歌舞伎とオペラが融合する夢の舞台、オペラの方々との共演についてはいかがですか?

オペラと歌舞伎は非常に似ているなと思いますね。歌舞伎に近い感覚があると思います。オペラは物語が重要であるとともに歌うじゃないですか、歌舞伎も歌と舞と技で似ているところがありますね。それからオペラと歌舞伎は発祥が同じ時期なんですね。オペレッタ、新歌舞伎というふうに同じように発展していったこともありまして、父も興味を持って、歌舞伎十八番の一つの「鳴神」という演目をオペラとして演出したことがあり、私もそれに立ちあっていましたので、オペラの方とたびたび共演させていただいたこともございます。オペラの方々とまた新しい作品ができることを楽しみにしていますし、声量がものすごい迫力なので、それを計算に入れたうえで構成ができるのが楽しみです。

オペラファンの方や世界の方々にどのように楽しんでいただきたいですか?

歌舞伎はいろんなことをするんですよね。能や狂言、落語なども吸収して歌舞伎として表現します。歌舞伎は、伝統文化の中でも様々な引き出しが多いのではないかと思います。今回、オペラと歌舞伎が融合することで、オペラの可能性が広がるのではないかと。オペラしかご覧になっていない方にオペラの新しい可能性を探っていただけるのもこの舞台の見どころの一つだと思います。

「海老蔵として思い切りできることをやりたい」と意気込み
「海老蔵として思い切りできることをやりたい」と意気込み

様式美、色彩、派手な演出、見た目を楽しめるのが歌舞伎

改めて歌舞伎の魅力を教えていただけますか?

初めて観る方にとっては様式美、色彩、派手な演出が非常にわかりやすいと思います。歌舞伎俳優や歌舞伎が好きな方にとっては日本人が持っている日本人ならではの思考、思い、考え方、封建的な制度に対しての姿勢、本音と建前。本来はこうあるべきだけれども、現場としてはそれを行わない美学とか、それを行う美学とか、あとは俗にいう敵討ちですか、半沢直樹ですよね、やられたらしっかりやるんだという、日本人はそれを応援したいという思考があったりするので、歌舞伎の演目にはそういうものが多い。

歌舞伎というのは不思議なくらいとても残酷なことが多いんですね。殺しを美しく見せるとか、そういうのが多いんですよね、伝えどころが難しいんですが、西洋のものは、シェイクスピアはものによって違うかもしれませんが、どなたにとっても理路整然と物語の起承転結があり、ある程度はどなたが見てもわかるようにできているじゃないですか。歌舞伎の場合は、意外と起承転結が筋ではなく見た目で落ちてくるんですよ、ああこうなっちゃったんだな、と。日本人はどちらかというと見た目を楽しむ。うわー素敵だなと。そういうところが歌舞伎の魅力の一つかなと思います。

東京2020 日本フェスティバルを通して、どういうメッセージを世界に伝えたいですか?

日本で行われるオリンピック・パラリンピックは久方ぶりでございますから、まずは日本の人たちが東京2020オリンピック・パラリンピックに参加したいな、応援したいな、観に行きたいな楽しみたいなというふうになるための第一歩のキックオフだと思っているので、それが第一と思っています。

世界の方々には、日本というと富士、桜、芸者、相撲、歌舞伎も入ってくると思いますが、その中で歌舞伎というものと、皆様がご存知のオペラが融合した作品というのが多様性の調和であると。オペラと歌舞伎のみならず、老若男女様々な方々に参加していただこうという企画でございますので、多様性を調和して皆様が知っているオペラと名前は知っていても中身がわからないという歌舞伎の文化が融合され調和されていて洗練されたものができれば、多くの方々に世界でもご覧いただけるような環境ができるのではないのかなと思いますので、楽しめるものを作って皆様に喜んでいただけるように努力したいと思っております。

海老蔵さんは東京2020大会をどのように楽しみたいと思っていらっしゃいますか?

文化・教育委員会の委員でありますので、大会の競技を楽しく観たいと思いますけれども、自分の個人的なことで恐縮ですけど、名前が変わりまして襲名というものもございますので、自分のことも忙しいという中ですので、自分がテレビに向かえる時、競技場に行ける時には観たいと思っております。観たいですよね、世界一の人たちを。それに向かって努力している人たちを。100m走で世界記録が出たら面白いなと思います。

KABUKI×OPERA「光の王」Presented by ENEOS

日時 2020年4月18日(土)17時~(予定)※1回限り
場所 東京体育館
出演者 市川海老蔵、アンナ・ピロッツィ、アーウィン・シュロット、市川右團次、中村児太郎、土屋太鳳、Travis Japan(ジャニーズJr.)ほか
演出 藤間勘十郎
指揮者 ジョルディ・ベルナセル
オーケストラ 東京フィルハーモニー交響楽団

※本イベントは、大規模イベントによる新型コロナウイルスの感染者クラスター発生予防、来場者および関係スタッフの安全を最優先に考慮し、開催中止となりました。チケットを購入されている方は、下記のチケット販売サイトなどで詳細をご確認ください。

・チケット販売サイト:鑑賞チケット販売特別サイト(チケットぴあ)
 https://w.pia.jp/t/kabukiopera20/

・お問い合わせ先: 電話 0570-78-3202(受付時間:平日12:00~18:00)
 メール kabuki-opera(at)pia.co.jp