大都会・お台場で繰り広げられるチームプレーとスピード感 「パラトライアスロン」は会場観戦がおすすめ!

速い選手は平坦な道を時速40キロで疾走。下り坂では、時速80キロに達することもあるそうです
速い選手は平坦な道を時速40キロで疾走。下り坂では、時速80キロに達することもあるそうです

東京で開催される56年ぶり2回目のパラリンピックはもうすぐそこに迫っています。

実際に会場を訪れて観戦してみると、そこには「生観戦」だからこそ感じることができる魅力がたくさんあります。2019年8月に、東京2020パラリンピックの本番を想定したテストイベントがお台場海浜公園で行われました。今回は、そこで実際に観戦する中で見つけた「パラトライアスロン」の会場観戦の魅力をたっぷりご紹介します。

パラトライアスロンとは?
パラリンピックでは前回のリオデジャネイロ2016大会から正式種目となった。「スイム(水泳/0.75km)」「バイク(自転車/20km)」「ラン(ランニング/5km)」の3種目(25.75km)を合わせたタイムを競う。
東京2020パラリンピックでは「お台場海浜公園」にて熱戦が繰り広げられる。

用具の工夫やチームプレーで生み出されるスピード感を味わえるのは「パラトライアスロン」だけ!

パラトライアスロンを語る際に欠かせないのは、その比類なき「スピード感」です。関係者のお話によると、座位クラスの「ハンドサイクル」では、速い選手は平坦な道を時速40キロで疾走します。下り坂では、時速80キロに達することも!

実際に会場で観戦してみると、テレビの画面を通してでは感じられない迫力を体感することができました。特にバイクは、観戦場所のすぐ近くを選手が通るので、そのスピードが生み出す風を肌で感じることができます。時速40~80kmといえば、一般道、あるいは速い時には高速道路を走る車と同じスピード。それを手の届くような距離で観戦することができるので、まさに「風を切る」感覚。現場で体験した人は、あまりの迫力に鳥肌が立ってしまうことも少なくありません。

速い選手は平坦な道を時速40キロで疾走。下り坂では、時速80キロに達することもあるそうです
速い選手は平坦な道を時速40キロで疾走。下り坂では、時速80キロに達することもあるそうです

「パラトライアスロン」のランとバイクのコースは、オリンピックの「トライアスロン」とは少し異なります。だからこそ、パラリンピックとオリンピックのミックスリレーにしかない「観戦ポイント」があるのです。

中でも一番のオススメは、バイクコースとなっている「のぞみ橋」。有明エリアとお台場エリアを結び、夜景スポットとしても知られる「のぞみ橋」は、なだらかな坂になっているため、おそらく東京2020パラリンピックのトライアスロンのコースでは、最もスピードが出るポイントとなります。

それぞれの選手がそれぞれの用具を使いこなして加速する、「パラトライアスロン」ならではの"スピード感" を楽しむには、もってこいのスポットです。

タンデム? ハンドサイクル? パラならではの用具やチームプレーに注目!

ハンドサイクルは「工夫することで誰もがスポーツを楽しめる」ことを証明してくれます
ハンドサイクルは「工夫することで誰もがスポーツを楽しめる」ことを証明してくれます

「パラトライアスロン」には、「スピード感」以外にも、この競技ならではの魅力があります。それは、バラエティに富んだアスリートの姿と用具が見られるということです。この魅力はオリンピックの「トライアスロン」にはない魅力のひとつです。

「パラトライアスロン」には「立位(スタンディング)」「座位(シッティング)」「視覚障がい(ブラインド)」の3つのカテゴリーがあり、それぞれ障がいの程度によってクラスが分かれて競技が行われています。選手たちは障がいの種類によって、さまざまな用具を使用するのですが、バイク種目で用いる自転車については、選手それぞれの身体の状態に合わせて何をどう改造してもOKというルールになっています。

例えば、腕に障がいのある選手はブレーキをサドルの近くに設置して太ももでブレーキをかけることができるように改造したり、常に「ガイド」と呼ばれるサポートの人と二人三脚で参戦する視覚障がいクラスでは「タンデム」といわれる二人乗りの自転車を使ったりと、ひとりひとりが自分にぴったりの用具とともにレースに参加しているというのは、「パラトライアスロン」ならではの観戦ポイントです。

特に目を奪われたのは「ハンドサイクル」。
「ハンドサイクル」とは、座位クラスの選手がバイク種目で乗る「手で漕ぐ自転車」です。「足の代わりに、手で漕ぐ」という発想自体がナイス・アイデアですよね。まさに「工夫することで誰もがスポーツを楽しめる」ということを証明してくれる発想ではないでしょうか。

しかも、足で漕ぐ自転車と変わらない猛スピードで目の前を通り過ぎていくのです。車体が地面に近い「ハンドサイクル」が次々と走り去っていく光景は、まるでモータースポーツのサーキットのようで大興奮でした。

トランジションは「第4の種目」ともいわれます
トランジションは「第4の種目」ともいわれます

さまざまな用具を使用するからこそ見ていて面白いのは、「第4の種目」ともいわれる「トランジション」。

スイムからバイクへ、バイクからランへと種目を移り変える際に、着用していたウエットスーツを脱いだり、バイクやランで使用する義足を履いたり、「タンデム」や「ハンドサイクル」に乗り変えたりしなければなりません。

この「トランジション」でかかったタイムもそのまま加算されるため、着脱をサポートする「ハンドラー」や選手は、チームプレーでコンマ1秒を争います。あっという間に次の種目へと走り去ってしまうその光景は、これもモータースポーツのピットインさながら。ちょっとでも目を離せば、もうすでにスタートしてしまっているなんてことも少なくないので、目をこらして見ることをおすすめします。

「お台場」という会場の面白さも味わって!

パラトライアスロンの競技会場であるお台場海浜公園は、天候に恵まれれば、真っ青な空の下で観戦することができます。スイムではレインボーブリッジや高層ビルをバックに水しぶきを上げながら激しく競り合い泳ぐ姿を、そしてお台場海浜公園の周りを走るバイクやランでは、木漏れ日の中を風のように颯爽(さっそう)と走り行く姿を見ることができます。都市と自然が融合した情景の中で、選手たちが己の限界に挑戦している勇敢な姿を間近で見ることができるのは、この会場だからこそ。そんな絶景ポイントを探しながらの観戦も、お台場という観光地の中で行われる「パラトライアスロン」の魅力の一つといえそうです。

都市と自然が融合した情景の中で、選手たちの勇姿を間近で見られるのはこの会場の魅力
都市と自然が融合した情景の中で、選手たちの勇姿を間近で見られるのはこの会場の魅力

また、会場のところどころで目立っていたのは、おそろいのTシャツを着用した応援団です。いくつものグループがあり、それぞれ思い思いにデザインしたTシャツを着て、選手へのメッセージが書かれた横断幕やのぼりなどを持って応援していました。沿道で観戦している方々にお話を伺ったところ、「観客が一体となって応援することができるのは、また観戦に訪れたくなるような高揚感があります!」との声も。選手たちの応援を楽しむ姿に、こちらまで心が弾みました。みんなでワイワイ沿道観戦ができるのも楽しみ方のひとつですよね。

東京2020パラリンピックは会場で

実際に会場を訪れて観戦してみると、そこには「生観戦」だからこそ感じることができる「パラトライアスロン」の魅力がたくさんあります。

一つの競技だけでも体への負担は相当なものだというのに立て続けに3つの競技をこなしてしまう選手たちの表情や息づかい、「パラトライアスロン」ならではの用具やチームプレーで実現するスピード感などを、会場では肌で感じることができます。スタート時の緊張感、レース中やゴール間際での激しい競り合いをすぐ近くで応援しながら見たときの高揚感も、まさに「生」ならではのもの。

そして、都市と自然が入り混じる背景の中、たくさんの人と「生」の躍動感を共有する楽しさは、大都市・東京で行われる野外スポーツでしか味わうことができない醍醐味でもあります。

そんな熱気や興奮を体験するために、東京2020パラリンピックはぜひ、会場で応援しましょう!