3大会ぶりに行われる「野球」 日本代表の歴史を振り返る

アテネ2004大会で銅メダルを獲得した日本代表
アテネ2004大会で銅メダルを獲得した日本代表

東京2020オリンピックで、3大会ぶりに競技種目として復活する「野球」は、本来であれば8月8日に横浜スタジアムで決勝戦が行われているはずだった。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大により大会は延期。来年の東京2020大会では、7月28日に福島あづま球場で始まり、8月7日に横浜スタジアムで幕を閉じる。開催国であり、世界大会でも結果を残している日本は、金メダルの有力候補と言えるだろう。今回は、そんな野球日本代表のオリンピックにおける歴史を振り返る。

東京1964大会でも行われていた野球

野球が初めてオリンピックで実施されたのは、セントルイス1904大会。当時は公開競技で、その後も毎大会ではないが、同様の方式で試合が開催されてきた。

日本の初参加は、東京1964大会。アメリカから全米学生選抜を招き、全日本学生選抜と全日本社会人選抜がそれぞれ対戦した。会場は国立競技場の隣、明治神宮野球場。開会式翌日の10月11日に、聖火が灯る聖火台が左中間後方に見える中、ダブルヘッダーで行われた。当時、日本代表のユニフォームはなく、選手は各所属チームのものを着て戦った。試合は、学生選抜が2-2の引き分け、社会人選抜は0-3でアメリカに敗れたものの、オリンピックにおける野球日本代表の歴史はここからスタートした。

国立競技場で行われた東京1964大会開会式
国立競技場で行われた東京1964大会開会式

棚ぼた参加のロサンゼルス1984大会で金メダル獲得

その日本は、公開競技として行われたロサンゼルス1984大会で初の金メダルを獲得した。当初は6チームで行われる予定だったこともあり、日本は出場権を得られなかったが、辞退する国が出たこと、加えて8チーム参加に変更されたため、大会直前の5月31日に出場要請を受けた。

広沢克己、正田耕三、伊東昭光、宮本和知らのちにプロ野球入りするアマチュアの精鋭で編成された日本は、8月1日の初戦で韓国に勝利すると、第2戦のニカラグアにも大勝する。準決勝も延長サヨナラ勝ちした日本の、決勝の相手は開催国のアメリカ。日本は先制を許すも、広沢が逆転タイムリーや3ランを放つなど大活躍し、完全アウェーの中、金メダルに輝いた。公開競技とはいえ、野球において複数チームが参加するのはこの大会が初のこと。日本は王者として歴史に名を残した。またこの大会において、野球競技が8日間で40万人という観客を集めたことにより、バルセロナ1992大会から正式種目として採用されることが決まった。

ロサンゼルス1984大会では公開競技として試合が行われた
ロサンゼルス1984大会では公開競技として試合が行われた

プロ選手出場可能となるも、頂点には届かず

正式種目となったバルセロナ1992大会から北京2008大会まで、日本は5大会連続でオリピックに出場しているが、最高位はアトランタ1996大会の銀メダルである。この大会ではのちにプロ入りをする今岡誠、松中信彦、井口忠仁らが通算打率4割を超える活躍を見せ、チームとしても準決勝では地元アメリカに大勝するなど、鮮烈なインパクトを残した。

アトランタ1996大会では福留孝介らの活躍で銀メダルを獲得
アトランタ1996大会では福留孝介らの活躍で銀メダルを獲得

しかし、プロ選手の出場が解禁されたシドニー2000大会以降は、やや苦戦している。同大会で日本は松坂大輔、松中ら24人中8人をプロ選手で構成し挑んだが、初めてメダルを逃した。

アテネ2004大会はオールプロ選手で臨んだ。メンバーには後にメジャーリーグで活躍する黒田博樹や、前回大会も経験した松坂もいたが、銅メダル。2006年に行われた第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を制した後の北京2008大会は、投手陣に現在メジャーリーグでプレーするダルビッシュ有や田中将大らを擁し、野手にも川崎宗則、青木宣親、4番には稲葉篤紀を据えるなど優勝への期待が高まっていた。しかし、予選リーグで韓国、アメリカに敗れ、決勝トーナメントには4位で進出。準決勝では予選リーグ1位の韓国相手に、先制するもエラーが重なり逆転負けを喫した。そして3位決定戦でもアメリカに再び逆転で敗れ、メダル獲得とはならなかった。

新戦力も台頭、東京2020大会で悲願の金メダルを

迎える東京2020大会の野球は、全6チームが2グループに分かれ総当たりのオープニングラウンドを戦い、その後トーナメント形式のノックアウトステージに挑む。現在出場国として決まっているのは、開催国の日本をはじめイスラエル、韓国、メキシコだ。

開催国として出場権を持つ日本は、2017年7月に侍ジャパン(野球日本代表の呼称)強化委員会が目標を「東京2020オリンピックでの金メダル」に絞り、北京2008大会で4番に座り代表経験豊富な稲葉篤紀氏を監督として戦うことを決めた。その年に行われた、アジアプロ野球チャンピオンシップで韓国を破り頂点に立つと、2018年の日米野球ではメジャーリーグ選抜チーム相手に5勝1敗。2019年に開催された第2回WBSCプレミア12でも、2009年のWBC以来10年ぶりに世界の頂点に立った。

東京2020大会に照準を合わせ、世界のライバルチーム相手に着実に結果を残し、さらに新戦力も台頭している「侍ジャパン」。13年ぶりのオリンピックの舞台で日本中の応援を背に、悲願の金メダルを目指す。

野球復活!福島からのエール
04:03