Classic Finals 最後は0.099点差の決着、「体操ニッポン」のエース内村が演じた大熱戦

リオデジャネイロ2016オリンピック体操競技の男子個人総合決勝、金メダルを獲得しガッツポーズを見せる内村航平
リオデジャネイロ2016オリンピック体操競技の男子個人総合決勝、金メダルを獲得しガッツポーズを見せる内村航平

金メダルを懸けたオリンピックの決勝には、数々のドラマが存在する。そんな多くの人の記憶に残り続ける珠玉の一戦を紹介。今回はリオデジャネイロ2016オリンピックの体操競技、男子個人総合決勝を取り上げる。

リオ2016 体操競技 男子個人総合決勝

終わってみれば、金メダルと銀メダルの得点差は0.099点。リオデジャネイロ2016オリンピックの体操競技、男子個人総合決勝は、序盤から手に汗握る戦いの末、僅差での決着となった。

24人が出場し、「ゆか」「あん馬」「つり輪」「跳馬」「平行棒」「鉄棒」6種目の合計点で争う個人総合の決勝。金メダル候補の大本命は日本の内村航平だった。ロンドン2012大会のチャンピオンで、このとき世界選手権個人総合で6連覇中。「体操ニッポン」のエースには、オリンピックの男子個人総合における、史上4人目の連覇が懸かっていた。

そんな中、「ストップ内村」を狙ったのが、ウクライナのオレグ・ベルニャエフとイギリスのマックス・ウィットロックだ。当時22歳のベルニャエフは平行棒を得意とする選手。世界選手権や、ユニバーシアードの種目別平行棒で金メダルを獲得するなど、世界に頭角を現しはじめていた。またウィットロックはロンドン2012大会の団体総合と種目別あん馬の銅メダリストで、内村のことを「ヒーロー」として尊敬していた。

予選ではベルニャエフが首位。得意の平行棒で16.166点を出し、2位の内村に1.466点差をつけた。ウィットロックは12位で決勝へと進んだ。

予選の結果を持ち越さない決勝で、好発進したのはウィットロックだった。最初の得意なあん馬で、出場選手中、トップとなる15.875点をマークし首位に立つと、続く第2種目の苦手なつり輪を14.733点でまとめた。しかし、第1種目のゆかで15.766点のハイスコアを出し、あん馬で安定した演技を披露した内村が逆転。第2種目を終わったところで1位に浮上した。

ゆか、あん馬と15点台でまとめたベルニャエフは、第3種目となるつり輪で力強い演技を見せ15.300点を出し、トップに踊り出る。またウィットロックも跳馬を15点台で終えて2位を守った。一方、内村はつり輪で14.733点と3位に後退してしまう。

競技の半分を過ぎたところで、存在感を示したのはベルニャエフだった。第4種目の跳馬では「ドラグレスク」という前転跳びから2回宙返りし、2分の1ひねる豪快な技を決めて首位を堅持。そして得意とする第5種目の平行棒は、全種目通じて唯一の16点台、16.100を出した。内村はウィットロックを抑えて2位に浮上するも、ベルニャエフとの差を詰め切れず、第5種目を終えた時点で1点近い0.901点差で最終種目を迎えることになった。

ベルニャエフと内村の最終種目は鉄棒だった。先に演技をしたのは内村。「カッシーナ」など4つの離れ技を決め、下り技「新月面」の着地もしっかり決めた。15.800点という高得点をマークし、直後に演技するベルニャエフにプレッシャーをかけた。最後の演技者はベルニャエフ。堅実にこなしたが、ラストの着地でわずかに1歩前に出るミスをし、内村に勝利を譲った。逆転で金メダルを手にした内村は、何度もガッツポーズを繰り返して快挙に歓喜した。

Classic Finals 最後は0.099点差の決着、「体操ニッポン」のエース内村が演じた大熱戦
52:00

リオ2016 体操競技 男子個人総合結果

金:内村航平(日本) 92.365点

銀:オレグ・ベルニャエフ(ウクライナ) 92.266点

銅:マックス・ウィットロック(イギリス) 90.641点

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