Classic Finals 連覇逃すも、最後まで魅せた女王アメリカの「ホットライン」

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金メダルを懸けたオリンピックの決勝には、数々のドラマが存在する。そんな多くの人の記憶に残り続ける珠玉の一戦を紹介。今回はシドニー2000オリンピックのサッカー女子決勝を取り上げる。

シドニー2000 サッカー 女子決勝 ノルウェー vs. アメリカ

1990年代は女子サッカー界にとって、国際大会が新設されるなど過渡期だった。1991年に中国で第1回FIFA女子世界選手権(現在のFIFA女子ワールドカップ)が開催。そしてオリンピックにおいてもアトランタ1996大会で初めて競技が実施された。そんな時期に幾度となく世界の頂点に立ったアメリカが、「ライバル」ノルウェーに延長戦の末、惜しくも敗れたのがシドニー2000大会の決勝だった。

アメリカとノルウェーは大舞台でしのぎを削ってきた間柄だ。FIFA女子世界選手権では、第1回大会の決勝でアメリカがノルウェーを破り初代女王に輝く。続く1995年の第2回大会は、ノルウェーが優勝。3位に終わったアメリカは、その4年後に自国開催の第3回大会で再び栄冠を手にする。オリンピックでは、アトランタ1996大会でアメリカが金メダル、ノルウェーは銅メダルだった。

タイトルの数で上回るアメリカは、シドニー2000大会でオリンピック2連覇を目指した。その中心はFWミア・ハムである。1987年に15歳で代表選出されると、163cmとアメリカの選手としては小柄ながら、スピードと技術でチームをけん引した。またノルウェーとはグループリーグの初戦でも激突。その試合で、ハムと同じ1972年生まれのFWティファニー・ミルブレットが輝く。先制点を決めるなど、2-0での快勝に貢献した。

その後、勝ち進んだアメリカは、決勝で再びノルウェーと相まみえた。試合は前半5分、ハムが左サイドで相手守備陣を崩すと、絶妙な折り返しにミルブレットが左足で合わせる。前年の世界選手権などを共に戦ってきた2人は、「あうんの呼吸」で先制点を奪い、立ち上がりからペースを握る。しかし、初の金メダルを目指すノルウェーのモチベーションも高かった。その後アメリカは2失点を喫して、1-2で後半アディショナルタイムに突入する。「もはやこれまでか」と思われたアメリカだが、最後に魅せる。ハムのクロスにミルブレットが頭で合わせて同点。再び2人の「ホットライン」が機能した。

土壇場で2連覇への望みをつないだアメリカ。しかしゴールデンゴール方式の延長戦ではノルウェーのほうがまさった。延長前半12分にロングボールから好機をつくり、途中出場のMFダグニー・メルグレンがゴール右隅に押し込んで勝負あり。歓喜するノルウェーを横目に、銀メダルに終わったアメリカには、「顔を上げ、誇りを持とう」とチームメイトを鼓舞するハムの姿があった。

Classic Finals 連覇逃すも、最後まで魅せた女王アメリカの「ホットライン」
52:00

※動画プレーヤー右下の字幕設定で日本語字幕付きをご覧いただけます。

シドニー2000 サッカー 女子結果

金:ノルウェー(初優勝)

銀:アメリカ

銅:ドイツ

Classic Finals

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