Classic Finals ゴール前でのデッドヒート、タイム差「0」の決着

ロンドン2012オリンピックトライアスロン女子、ゴールテープを切るニコラ・スピリグ(右)とリサ・ノルデン
ロンドン2012オリンピックトライアスロン女子、ゴールテープを切るニコラ・スピリグ(右)とリサ・ノルデン

金メダルを懸けたオリンピックの決勝には、数々のドラマが存在する。そんな多くの人の記憶に残り続ける珠玉の一戦を紹介。今回はロンドン2012オリンピックのトライアスロン女子を取り上げる。

ロンドン2012 トライアスロン 女子

スイム、バイク、ランの3種目、約2時間にわたる戦いを終え、1位と2位のタイム差は0で写真判定に。そんな大激戦となったのが、ロンドン2012オリンピックのトライアスロン女子である。ロンドン市内中心部にある王立公園・ハイドパークに集まった観衆は、ニコラ・スピリグ(スイス)とリサ・ノルデン(スウェーデン)、エリン・デンシャム(オーストラリア)の3人によるゴール前でのデッドヒートにくぎ付けとなった。

スタート前に下馬評が高かったのは、イギリスのヘレン・ジェンキンスだ。前年の世界選手権シリーズ覇者で、地元での金メダル獲得を有望視されていた。さらにスピリグ、デンシャムも2012年シーズンでシリーズ2勝を挙げ、優勝候補の一角だった。ノルデンはけがの影響もあり、前年シリーズランク9位に終わるも、ロンドン2012大会直前の6月に行われた大会で2シーズンぶりの表彰台に登り、上位を虎視眈々と狙っていた。

レースは午前9時にスタートした。スイムとサイクルでは上位に差がつかず、集団が一塊となって進んでいった。そしてトップ集団にはタイム差8秒の間に22人がいる状態でランに入る。ランはサーペンタイン湖畔に設定された1周2.5kmのコースを4周する。周回を重ねるごとに集団の人数が減り続け、最終周回に入る時点で先に挙げた4人のほか、アメリカのサラ・トゥルーを入れた5人となった。

動きがあったのは残り1km付近だ。ジェンキンスが集団の後ろに下がり、地元の声援も及ばずトップから引き離されていく。残った4人は「誰が行くのか」とけん制。ゴールが見えたところで、ついにスピリグがペースを上げてスパートをかける。ここでトゥルーが遅れ始めて、トップ3が固まった。

金メダルの行方は最後の最後、フィニッシュエリアまでもつれた。スピリグがギアをさらに一段上げると、ノルデンだけが食い下がる。そして2人同時にゴールテープを切った。2秒差で3位フィニッシュのデンシャムを含め、「やり切った」とその場に倒れ込んだ3人。写真判定の末、金メダルだとわかるとスピリグは、「金と銀では大きな差、想像できる中で最高の喜び」と満面の笑みを浮かべた。

Classic Finals ゴール前でのデッドヒート、タイム差「0」の決着
52:00

※動画プレーヤー右下の字幕設定で日本語字幕付きをご覧いただけます。

ロンドン2012 トライアスロン 女子結果

金:ニコラ・スピリグ(スイス)1時間59分48秒

銀:リサ・ノルデン(スウェーデン)1時間59分48秒

銅:エリン・デンシャム(オーストラリア)1時間59分50秒

Classic Finals

イギリス60年ぶりの金へ、54歳のベテラン駆ける

「ドリームチーム」アメリカが見せた勝負強さ

連覇逃すも、最後まで魅せた女王アメリカの「ホットライン」