プレーバック・リオ 川井梨紗子「これが私のレスリング」超攻撃的スタイルで戴冠

リオデジャネイロ2016オリンピックにおいて、日本は金12、銀8、銅21と計41個のメダルを獲得した。選手たちは何を思い、この大舞台に臨んだのか。今も記憶に新しい、感動と興奮に包まれたシーンを振り返る。

プレーバック・リオ 川井梨紗子が女子63kg級で金メダルを獲得
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レスリング女子63kg級決勝結果

川井梨紗子(日本)

(6-0 判定)

マリア・ママシュク(ベラルーシ)

ストーリー

攻めに攻めた。「これが今まで自分が教えてもらったレスリングです」。そう胸を張った川井梨紗子は優勝に至るまでの4試合すべてで攻めまくった。初戦となった2回戦は5-0、3回戦は8-2、準決勝はわずか2分ほどでテクニカルフォール勝ち(相手に10点差をつける)を収めた。

「絶対に金メダルを持って帰るという気持ちでマットに上がった」という決勝も、相手に攻め入る隙を与えずに、タックルを次々と決めてポイントを重ねていく。強さとうまさが光った組手に加え、素早いフットワークで相手を圧倒した。「前日に3人(登坂絵莉、伊調馨、土性沙羅)が金メダルを取っていたので、それを見て余計に自分もほしいなと思っていました」と語った川井は、その願望通りの結果を残した。

川井にとって決勝の舞台は、前年の雪辱を果たす場でもあった。63kg級の選手として初めて臨んだ世界選手権では決勝に進みながら、フォール負け(相手に両肩を1秒以上マットにつけられる)を喫した。「決勝に上がれたことがうれしくて、舞い上がってしまった部分がありました。今回、あのときの雪辱は大きな舞台じゃないと果たせないと思ったので、絶対に勝つという気持ちでした」と、大一番に挑んだ心境を明かす。

金メダル獲得に涙も見せた川井だが、同時に複雑な思いを抱いての戴冠だったのも事実だ。川井の本来の階級は58kg級(当時)。しかし、そこには伊調が君臨し、その壁に跳ね返され続けた川井は、リオデジャネイロ2016オリンピック出場のために階級を変更していた。「伊調超え」という思いを封印して臨んだオリンピックでもあったのだ。

だからこそ自らのスタイルを貫き通し、結果を残す必要があった。そして超攻撃的なレスリングで相手を寄せ付けず、圧倒的な勝利を収めた。

「今回優勝できたことを自信にし、日本に帰ってさらに強い自分になりたいと思います。東京2020オリンピックに向けて、また挑戦者として日々努力していきたいです」

金メダルを獲得してもすぐに次を見据える。挑戦者としての川井の向上心は尽きることがない。

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