様々な人の思いを胸に、福島県から世界へ なでしこジャパン 遠藤純選手

Jヴィレッジを背景に、世界との戦いに向けて意気込む遠藤純選手
Jヴィレッジを背景に、世界との戦いに向けて意気込む遠藤純選手

2020年3月26日(木)、東京2020オリンピック聖火リレーがスタートする。グランドスタートの地は福島県楢葉町・広野町にまたがる「ナショナルトレーニングセンター Jヴィレッジ」。2011年に起こった東日本大震災に伴い、利用できない状況が続いていたが、2018年にサッカーのトレーニング施設として一部営業を再開。2019年4月に全面再開し、現在は男女のサッカー日本代表の合宿地などとして使われている。そんなJヴィレッジのある福島県で生まれ育ったのが、なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)の遠藤純選手だ。現在19歳、昨年フランスで開催されたFIFA女子ワールドカップで2試合に先発出場するなど、頭角を現しつつあるホープは「被災地の人を笑顔にしたいです」と力を込める。

各年代別の代表を経験

遠藤選手は福島県白河市出身。中学生から親元を離れ、静岡県に一時移転している全寮制の選手育成機関、JFAアカデミー福島に入学してその腕を磨いた。各年代別の代表に選出され、2016年にU-17日本女子代表として、FIFAU-17女子ワールドカップの準優勝を経験。また2018年にはU-20日本女子代表として、FIFA U-20女子ワールドカップ初優勝に貢献した。同年にはなでしこジャパンに初選出。直近試合ではサイドバックの一角として起用され、攻守両面での活躍が期待されている。

2020年2月14日、なでしこジャパンは、東京2020オリンピックイヤー最初の合宿をJヴィレッジでスタートさせた。長期間使用できなかった故郷の施設だが、トレーニングができるまでに回復。その現状について、「好きなサッカーをこの素晴らしいピッチでできているのは、様々な人の支えがあったからこそ。みなさんが復興に向けてがんばっている姿の表れなのだろうなと思います」と語る。

なでしこジャパンと言えば、2011年にドイツで行われたFIFA女子ワールドカップを制覇。日本中に元気を与えたニュースには、遠藤選手も思い入れを持つ。「そのときから、あの舞台に立ちたいと思っていました。自分は今、あのとき憧れていた場所にいる。今サッカーをやっている小さな子どもたちに対し、自分がもらったように感動を与えたいです」。

「結果を残すのが第一」

当時、憧れを抱いた選手たちは、Jヴィレッジから始まるオリンピック聖火リレーで最初の聖火ランナーを務める。先輩たちが再び世界から注目を浴びる大役を担うことに遠藤選手自身も力をもらっている。「注目がある分、結果を残すのが第一だと思います。今は目の前の一つひとつのことを真剣に取り組みつつ、楽しくサッカーをしていれば自然と周りも笑顔になるので、大事にしていきたいです」。自身初めてのオリンピック出場、そして金メダル獲得という結果を目指す。

世界の強豪たちが集う本番まであと少し。福島県出身の選手として、「自分が様々な人の立場を背負って戦えているのは緊張もあるが、ポジティブに捉えています。チームとして個人として、もう一つ成長して(東京2020オリンピックの舞台に)立ちたいです」。福島県から世界の頂へ。遠藤選手は故郷に夢を与えるべく、笑顔でピッチを駆け回る。