マセソン美季さんコラム:第76回 自分の可能性、決めつけないで

2019年12月5日

提供:朝日小学生新聞

バングラデシュの経済学者で、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスさんの講演を聞く機会がありました。利益を追求するのではなく、社会課題を解決することが目的の「ソーシャルビジネス」を呼びかけている人で、貧困のない世界をつくるために活動しています。

ユヌスさんは、「貧困は貧しい人たちが原因ではありません。そして、貧しい人は様々な機会をうばわれているのです」と説明しました。その状況を改善するために、それまでお金を借りるチャンスがなかった人たちにもお金を貸す仕組みを、バングラデシュでつくりました。

その結果、長い間貧しい暮らしを強いられていた人たちがビジネスを始め、自らの力で生活水準を向上させ、経済的にも心理的にも以前より豊かな生活を送れるようになっているそうです。

印象的だったのは、「自分のおかれた環境や、周りの人たちの言動に左右されて、自分の能力や人生を小さく見ている人が多いのが残念」と話していた点です。

人生には、予想もできない出会いや出来事が待っていて、人間の可能性は未知数です。ユヌスさんは、難しいことに直面していても、自分の可能性を信じて生きることが大切といいます。

自分の力ではコントロールできないことに悲観することなく、自分の可能性を信じて、物事に取り組む姿勢を大切にしてほしいというメッセージは、パラリンピックの精神と同じだなと思いました。