第65回 雨はきらいと思っていたけど

2019年6月20日

提供:朝日小学生新聞

梅雨の時期です。みなさんは、雨は好きですか? 私は外出しなければいけない日が雨だとおっくうで、雨は大きらいだと思っていましたが、息子の「お母さんは雨が好きだよね」という言葉に意表をつかれました。

かさを持ちながら車いすをこぐのがやっかいなので、雨の日はきらい、と思っていたのです。ところが、よく考えてみれば、息子に言われたように、実は私は雨が好きでした。リラックスしたい時や集中したい時には、雨の音のBGMを利用しています。

そして、雨の日の、あの独特のにおいも大好きです。英語では「ペトリコール」と呼ばれています。ギリシャ語で石を意味する「ペトラ」とギリシャ神話の中に出てくる神様の体を流れる不老不死の血「イコル」が語源だそうです。

そういえば、車いすの陸上競技をしていたころ、雨の日の練習は好きでした。車いすのレースでは、選手たちはグローブを使って、ハンドリム(ホイールの内側にある小型の輪)をこぎます。雨の日には、すべり止めの松やにをつけて臨みます。つけすぎると引っかかりが強すぎて、スピードに乗れないこともあり、足りないとすべってしまいます。私は、ちょうどいいあんばいを見つけるのが得意でした。

雨の日はきらい、と頭から決めつけていた私は、息子の言葉のおかげで雨のちがう面に気づくことができました。きらいとか苦手だと思っていることも、ちょっと見方を変えれば、ちがうものに見えてくるかもしれません。