第62回 自分の言葉で自国を説明しよう

2019年5月2日

提供:朝日小学生新聞

この季節、カナダの自宅の庭には、こいのぼりが泳いでいます。息子が生まれた時、両親が送ってくれたものです。

こいのぼりは、男の子の健康や成長を願うために、端午の節句にかざるものですが、その意義や歴史は、うろ覚えでした。「なぜ鯉なの?」「なぜ5月なの?」「ふき流しや矢車の意味は?」。夫や友だちに聞かれても、当時は明確な説明ができませんでした。日本で生まれ育っていたのに、自分の国の文化について、自分の言葉で伝えることができないのはとてもはずかしかったことを思い出します。

実は、日本の年中行事に興味を持ち、くわしく調べるようになったのは、海外で生活をするようになってからでした。

「留学したいけれど、何を勉強したらいいですか」「外国の人と交流したいですが、何かアドバイスはありますか」などと、相談を受けることがあります。

別の国の言葉や文化に目を向け、情報を集めるのはすばらしいことです。でも、まずは自分のことや身近なことを、自分の言葉で説明できるようにするのがいいと私は思います。そうすることで、ちがいがわかったり、より深く相手の国のことを理解できるようになったりするからです。